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???「もう十月ですね」???「そうだね〜」
「雨花」と「橙」はたまたま通学時間が重なり、一緒に登校していた。
橙「雨花さん!十月といえば何か知ってますか?」
雨花「えっと……中間テストがあるね」
橙「何で普段不真面目なのにテスト期間なんて覚えてるんです?そうじゃなくて!」
「「ハロウィンですよ!!」」
雨花「あぁハロウィンね!そういえばそんな行事あったね」
橙「私ハロウィンやってみたいんですよ!」
雨花「へぇ〜珍しいね!橙ちゃんがイベント事に夢中になるなんて」
橙「はい!ハロウィンとかクリスマスとかそういう大々的なイベントにも私はあまり参加できてなかったので……だから楽しみなんです」
雨花「そっか!じゃあわたしたちとハロウィン楽しも?」
橙「そうして頂けたら嬉しいです!」
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放課後
橙「という訳で、ハロウィンのイベントについて考えましょう!」
雨花「ドンドンパフパフ〜」
???「ハロウィンのイベント?何だか楽しそうね!」
???「橙なんか張り切ってるな〜可愛い!」
ここは、生徒会室。「桃時」、「瑠璃人」は橙の話を聴いていた。
???「そういえばうちの学校ではハロウィンパーティーをするらしいな」
雨花「へぇ〜そうなんだ」
「兎白」も話に入ってきた。
橙「確かにそう聴いてますよ」
桃時「何で会計が知ってて、副会長が知らないのよ」
瑠璃人「通常運転だな」
橙「元々ハロウィンは、あの世から亡者がやって来る日なんですよ。だから『トウヒガ学園』には幽霊やあの世にいる妖怪がやってくるんです。その度にハロウィンのムーブに乗っかってしまう幽霊や妖怪が続出してまして……だったらいっその事ハロウィンパーティーをしてしまおうという話になったんです。」
兎白「でも普通のハロウィンだとまた調子に乗って人に迷惑をかける者もいるかもしれない。だから沈静化するための作戦も考えなくてはいけないんだ」
橙「そのハロウィンパーティーは学校中を使ってお菓子の交換や立ち食いをしたりして、ダンスを踊ったりするんです。だから皆さんお菓子を忘れちゃいけないんですよ」
桃時「そんなことが決まったのね……去年も一昨年もそんなことなかったけど」
瑠璃人「流石に対策を打とうとしたんじゃね?」
雨花「幼等部から中等部はどうなるの?」
兎白「中等部は中等部、小等部は小等部、幼等部は幼等部で分かれて行うそうだ」
雨花「じゃあ仲間はずれが起きなくて良いね!」
桃時「で?沈静化する作戦って?」
瑠璃人「ハロウィンにちなんだ作戦が良いよな!」
橙「Trick or Treatとかですか?」
兎白「このセリフを使ってイタズラされたくなかったら大人しくしろと伝えるのはどうだ?」
瑠璃人「でもそれだと普通のハロウィンだから、もう少し面白みを出した方が良いんじゃないんすか?」
「うーん」と頭を悩ませる橙と桃時と兎白と瑠璃人。
雨花「じゃあさ!」
「「Trick but Treatって言うのはどう?」」
橙「Trick but Treat……お菓子くれてもイタズラするぞという意味でしたよね?」
兎白「それをどうするんだ?」
雨花「ハロウィンパーティーはみんな仮装するでしょ?その仮装する人の中で一人だけ「Trick or Treat」じゃなくて「Trick but Treat」って言う人を紛れ込ませておくの!そしたらもし、パーティー中に悪さをしたらその人に「Trick but Treat」って言いに行ってイタズラして、悪さをする人に制裁する……ってのはどうかな?予めそういう噂を流しといてさ!」
桃時「なるほど……どんなイタズラをするの?」
雨花「エメラルドちゃんをぶっぱなす」
瑠璃人「それイタズラじゃなくて拷問に近いぞ!?!?」
雨花「でもそもそも悪さをしなきゃ良いんだよ?ハロウィンだからって何でもお菓子でまかり通ると思ったら大間違いなのだよ」
橙「まさかハロウィンで世間の厳しさを教えられる羽目になるとは誰も想わないでしょうね」
兎白「俺は勉強になるから良いと想うが……」
桃時「勉強になるの……?」
「それで」
瑠璃人「誰が噂を流すんだよ」
桃時「あぁそのことなら任せて」
桃時はパソコンを取り出すと、あるページを開いた。
兎白「これは……」
「「『トウヒガ学園』の裏帳簿!」」
橙「え?!そんなのあるんですか?!」
瑠璃人「知らなかったぜ」
雨花「え?知らないの?この学園のほとんどの人がこのアカウントフォローしてるよ?」
橙「じゃあそれ裏帳簿じゃないんじゃ……」
桃時「でも、生徒会が運営してることは知らないからあながち間違ってないわよ?」
兎白「ここに噂を書くのか?」
桃時「そうよ〜例えば……」
『来たる十月三十一日
ハロウィンパーティーにて
「Trick but Treat」現る
くれぐれも悪さにはお気をつけて────』
雨花「おぉ!良いね!これ!」
橙「これなら何を伝えたいのか分かりますし!」
瑠璃人「お前文章構成力あったんだな。超意外。バカだと思ってたのに」
兎白「流石桃時だな」
桃時「ありがとう。雨花、橙、兎白。……あんたさ。マジで腹立つんだけど」
瑠璃人「えぇ?あんたじゃ誰か分かんねぇな〜」
桃時「この……クソ野郎!!!!」
橙「まぁまぁ落ち着いて下さい!!」
兎白「悪気があった訳じゃないんだよ」
瑠璃人「いやぶっちゃけ悪気百パーセントでぇす」
雨花「火に油だよ。瑠璃くん」
桃時「じゃあこれで投稿するわよ」
雨花・橙・兎白・瑠璃人「はぁーい・はい!・あぁ・へいへい」
こうして『トウヒガ学園』には「Trick but Treat」の噂が流れた。
桃時「そういえば誰が「Trick but Treat」を言う役やるの?」
橙・瑠璃人「あ」
兎白「生徒会で交代でやれば良いんじゃないか?」
桃時「でも声でバレるんじゃ……」
雨花「ボイスチェンジャー倉庫にあるよ」
橙・瑠璃人「何であるんです・だ?!」
雨花「みて!蝶ネクタイのボイスチェンジャーまであるよ!」
橙「コ〇ン君みたいですね」
桃時「今になって恥ずかしくなってきたわ……」
雨花「それは今さらジローだね〜桃時どん」
ひとまず、ハロウィンの話はこれで終わったのだった。