🖤「本当に阿部ちゃんて頑固だよね。連絡もくれないし」
阿部ちゃんが寝込んでいる。一昨日、会った時から顔が赤いなと思っていた。なんだか虚ろな目をしていて、身体が熱かった。
俺はバカだから、久しぶりに身体を重ねていたせいで熱っぽいのかと思っていた。
💚「だって…」
🖤「だって、じゃないの。倒れた方が周りに迷惑掛かるって思わない?」
💚「…ごめん」
🖤「とりあえず、食べれそうなものある?」
💚「食欲ない…」
熱で潤んだ目元とだらしない口元が色っぽい。
すぐに反応してしまう、己の若い肉体を呪いながら、病院に連れて行く準備をする。
午後からのリハーサルは休ませようか、どうしようか。
とりあえず、楽で暖かい格好をさせようとクローゼットから服を見繕い、着替えさせた。
のろのろと動く阿部ちゃんを見ていると、ついついお節介を焼きたくなり、あれもこれもとリュックに詰めているうちに、なかなかの荷物になった。
💚「だるい……本当にごめんね?」
🖤「いいよ。今日は休みな?みんなには俺から言っとくから」
こくり、と素直に頷く阿部ちゃん。可愛くて思わず唇にキスしてしまい、うつるからぁ、と甘く言われてちょっと止まらなくなった。
💚「だめ…めめ…アツイ…」
せっかく着させたのに脱がそうとして、我に返り、おでこに手をあてたら相当な熱さ。
恥ずかしがる阿部ちゃんを無理やりお姫様抱っこして、車に運んだ。
診断は、風邪。脱水気味なので点滴を打ちましょうと言われた。
阿部ちゃんが処置してもらっている間にマネージャーに連絡を入れる。
🖤「俺、もう行くね。夜また来るから」
💚「ありがとう…」
心配だったけど、時間なのでマネージャーと交代。静かに目を閉じている阿部ちゃんに後ろ髪を引かれながら病院を後にした。
💛「阿部、平気そう?」
🖤「うん。後でまた見に行くけど。ただの風邪だから大丈夫」
💙「なるべくそばにいてやれ」
🖤「ありがとう」
💛「翔太も熱出すと泣くもんね?」
💙「泣かんわ!!ばか!!!」
照れたしょっぴーが岩本くんを叩くのを笑って 見ている。そんな2人を見ながら俺も早く阿部ちゃんに会いたいなと思った。
阿部ちゃんの家に戻ると、阿部ちゃんは寝ていた。買い物袋を音がしないようにキッチンに置き、静かに夕食を作る。
食欲がないなら、うどんにしたらと舘さんがレシピを教えてくれた。
💚「美味しい!」
起きた阿部ちゃんの顔色はかなり良くなっていて、一安心。片付け物を済ませて、阿部ちゃんの横に添い寝した。
💚「リハ、どうだった?」
🖤「あ。変わったところあるから、元気になったら教えるね」
💚「うん……めめ…」
🖤「ん?」
💚「寂しかった」
阿部ちゃんが呟いて、俺にくっついて来た。
💚「めめとこうなる前は、寂しいとかなかったんだけどなあ」
🖤「なんでそんな可愛いこと言うかなあ」
💚「だって素直になれって言ったじゃん」
🖤「元気になったら、いっぱい愛していい?」
💚「元気じゃなくても、ぎゅってして?」
🖤「うん」
阿部ちゃんの華奢な身体をお望みどおりぎゅっとして、阿部ちゃんの寝息が聞こえるまでずっとそうしていた。
おわり。
コメント
15件
阿部ちゃん見てすぐ自分の若さを呪う羽目になるめめ解釈一致すぎて好きwww ありがとー!チャージされたよ
平和めめあべ🖤💚
死にかけの中素敵な作品をありがとうございます 🥲 毎日仕事の昼休憩に最新話読んで午後の糧にするのが習慣になってるので助かります… 無理はしないで下さいね!!!あべこじのセフレ関係もご馳走様でした。