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木製のベッドへ横になった。

……痛い。背中がギシギシする。帝国の城ではフカフカのベッドで寝ていたから、これはキツイな。明日、わらとか……せめて草ぐらい敷いた方がいいな。こんなの身体中が痛くなって大変だ。



「スコル、今日は寝辛いかもしれんが我慢してくれ」

「は、はい……これ、固いですね」

「そうだな。この時だけは城がちょっと恋しいよ」

「お城ではラスティさんは、どういう生活をしていたんですか?」


急にスコルはそんな質問を寄越す。スルーしても良かったが、俺はなんだか無性に話したい気分だった。


「ぐうたらな毎日だったな。寝て食べて……寝て食べて……」

「だらしないですね」

「第三皇子だからな。やる事もないし。まあ、お見合いくらいはあったけど拒否ってたし」

「どうしてですか? 結婚とかしちゃえば良かったのに」


「誰かと運命を共にするって興味ないんだよね。でも、今はちょっと違うかな。置かれている立場が変わって価値観さえ変化した。今は誰かといる方が楽しいな」


そう自然に本音を語っていると、俺は気づいてしまった。俺、スコルに何言ってんだよぉー!! 恥ずかしいヤツやん!!



「良かった。わたし、ラスティさんに興味を持たれていたんですね」

「ま……まあな。この無人島唯一の仲間だし……これから長くなるかもしれないし、大切にするよ」


「えへへ、嬉しいな」



そうだ、この子は大切にしなきゃ。

俺はいずれこの無人島を開発しまくって最終的には『国』にしてやるんだ。その時、スコルが隣にいてくれていたら、また別の達成感があるんだろうな。


彼女を失望させない為にも俺は必死になって、足掻いてやるさ。





ゴキッと背中が鳴った。

骨が軋んでいる。

筋肉痛さえ起こし、俺はガチガチ人間になっていた。そうだ、昨日は使っていなかった筋肉さえ使い、初めてまともに労働に励んだ日。そりゃ、運動不足の俺はこうなる。……くそう、そこら中が痛いぞ。



「おはようございます、ラスティさん。って、なんかバケモノみたいな絵面にー!!」

「すまねぇ……。体のあっちこっちが痛くてな」

「お疲れなんですね。分かりました、お任せください」



両手を俺に向け、スコルは何かを唱えた。すると、俺は緑色のオーラに包まれた。一気に擦り傷とか疲労が回復した。



「こ、これって……魔法?」

「ええ、回復魔法の『ヒール』ですよ」



そうか、スコルはエルフだから魔法が使えるんだ! 体が一瞬で軽くなって痛みも消えた。こりゃ良い!!



爽やかで最高の気分だ。

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