あれから、数日が経った。
どうしたんだ、ってほどいつも通りの日が続いてる。
いつも通りの朝
いつも通りのご飯
いつも通りの仕事
いつも通りの人付き合いの下手さ
どうしたんだってほど、普通。
それほど、ゾムさんに突然部屋に入られたことが衝撃的だったのか?
なんでだろう、そう言って自問自答を繰り返していると
コンコンっ、と規則正しい音が鳴る。
うっわ来客じゃん、
…悪態をついてしまったが、
多分今の私はすごいぐらい焦っているそれはもう、自分でもわかるほどに
「…あー、えと。留守にしとるんかな?」
いや、全然います。
心の中では言えるけど、声には出せない。
ごめんなさい、と思いながら居留守を使うことにした。
数時間後、流石にいないだろう、と思いつつ廊下へ出る。
辺りを見渡すと、ドアに一枚の貼り紙を見つけた。
「ゆうさんへ
午後3時、監視室に来てください。」
そう書かれていた。
監視室ってどこなの?知らないんだけど、
部屋と拷問部屋、そして食堂の行き来しかない
そう
私は、この城の構造を理解してなかった。
地図とかあるかな、
いったんの休息も大切
私は仕事を放棄し,部屋を飛び出した。
目的地は「監視室」
監視室を見つけ次第、ぶらぶらしておこう
倉庫室、会議室、応接室、格技場、運動場、
あとバーがあった。
やはり、人間お酒が必要になるのかなと思う
運動場や格技場はどうせ、私には無縁の場所だ。
死に物狂いで訓練している人たちを横目にそんな失礼なことを考えていた。
私は、一つの部屋に目を奪われた。
「図書館」
やることのない私に「本」と言う娯楽は必須であった。
心の中でガッツポーズを取りつつ。
扉へと手を伸ばした。
だが、所詮女子。
大きな扉を筋肉もない奴が開けるなど不可能に近しかった。
何か、打開策は…と考えていると
突然、どこからか声がした。
「開けられないん?」
ビクッ、と反射的に体が動く。
すると、真横で大きな笑い声が廊下に響いた
kn「すまんすまん!気配消しとったわ!w」
誰かと思えば、コネシマさんじゃないですか
いいのか悪いのか、幹部の人に出会ってしまった。
私だと気づかれなければいいけど
kn「おいおい」
kn「”メイドさん”がここになんの用や?」
…ん?メイド、さん?
『今日,は…ぁの,休息日なので…っ』
kn「そうなんか!おつかれさんっ!」
と言って帰ろうとするコネシマさん。
いやちょっと待ってくださいよ
『…あの』
私は声を振り絞った
『ドァ、…そのっ、開けられなくて』
kn「確かに、ここのドア重いもんなぁ!開けたるわ!」
そう言って、片手で最も簡単に開けてしまった
軍人、さすがです。
扉を開けると、そこには知識の山が広がっていた。
あれも、これも、それも面白そうな本ばかりだった。
今の時間帯は、ほとんどの人たちが訓練をしているのだと思う。
だって、これほど人がいないのだから
穴場だな、そう思いながら、私は足を進めた。
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