掴んだ手の先を見ると、そこにはいるはずのない翔太くんの姿があった。
翔太『間に合って良かった…!』
安心した様子の君。
私の頭の中はハテナマークでたくさん。
なぜここに君がいるのか。なぜ私を助けたのか。分からないことだらけだ。
私は思わず聞いた。
○○『どうして翔太くんがここに…?』
翔太『散歩してたら○○さんの姿が見えて、ここに来た時にはもう落ちそうになってたから助けた。』
当たり前のようにそういう彼に私は違和感を覚えた。
なぜ私のことなんか助けたのか。
○○『なんで私のことを助けたの?』
翔太『なんでって、人を助けるのは当たり前でしょ?』
翔太『俺からも質問していい?』
そういう彼に私は頷く。
翔太『どうして飛び降りようと思ったの?』
やっぱりだ。どうせこのことを言われると思っていた。
どうしてって、あなたのせいだよ。あなたがこんなにも私のことを好きにさせたからだよ。
好きすぎておかしくなりそうなの。全部全部あなたのせいなんだよ…。
○○『翔太くんのせい…』
こんなことを言わなければよかった。また勘違いさせてしまうかもしれない。そう思った時にはもう遅かった。
翔太『やっぱりな。俺のせいだよな。ごめんな。』
翔太『じゃあな。』
○○『待って!!』
翔太『どうせまた何も言わないんだろ?知ってるよ。そんぐらい。俺のこと嫌いなんだろ?もう関わんな。』
「関わんな。」その言葉がひたすら私の頭の中をクルクル回る。
あぁ。私嫌われたね。
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