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にこにこ様との合同作品です。

奇数をにこにこ様、偶数を私が投稿しておりますので、にこにこ様の作品を見てから私の投稿を見ることを推奨します。

注意書きは、にこにこ様の方の1話、うちの2話にて投稿しておりますのでご覧頂いてからこちらの作品を視聴していただけると幸いです。



『………、グルさん。』

ゆっくりと、総統室の扉を開けて話しかける。

「………ノックをしろ。」

くるりと椅子を回転させ、こちらを見る我らが総統。その瞳は影で見えなかった。

『…今日の会議も、…あの二人が話してたのを聞いた時も思ってん。…やっぱ、あの二人は何か関わりがあるんやろ』

「……あぁ、…そうだな。」

『……あの二人の関係はなんなんや、』

ぎぃぃぃ音をたてて、グルさんは椅子から立つ。足音が総統室に響き渡る。ひとつの本を取り出し、俺の方へと向き合える、

「……トン氏。…輪廻転生を信じるか?」

『一応な。まぁ、…そんな非現実的なことをお前が言うとは思わんし、』

「…そうだな。」

「……俺はひとつ、嘘を混ぜて話す。」

『…なんでや、』

「今のお前、…いや、…今話すべきではないと思ったからだ。」

『……、』

「ひとつ、難しい話をする。」

「…世界は、何個も何個も世界線が存在する。…。一つ一つの行動は、線を何本も何本も分けていく。例えだが、今回のようにトン氏にこの話をした世界線と、しなかった世界線がある。話をしなかった世界線では、トン氏は納得出来ないだろう。納得できなかったトン氏は鬱にそのまま聞きに行くかもしれないな。まぁ、しないかもしれないが……、このようにひとつの選択から、またひとつ、ふたつと選択肢は別れていく。世界線も別れていくんだ。」

「……此処で誰かの話をしようか。」

「…2人の少年が居た。とても仲が良くてな。」

「…でも、片方が虐められて…それを助けたもう1人がまた、虐められ始めた」

「……そのままもう1人は、……亡くなってしまったらしい。」

「それを悔いた片方の少年は、…、自身のせいだとずっと嘆いた」

「…そんな時、地縛霊が現れた。それは、亡くなってしまった青年だった。」

「…彼は、地縛霊の彼とあったことにより元気を取り戻していった。…が、地縛霊…霊ということは、成仏してしまう。…、彼は成仏した。」

「…もう片方の彼を、…鬱を導いたのは私だ。…里親と仲直りしたが、地縛霊が居なくなったことによりずっと下を向いていた彼をこの軍に導いた」

『…大先生…。』

「…そんな時、俺はとある記事を見てな。とある国の王子が眠っていると。…その記事には、地縛霊になった彼と全く見た目が似ている彼が居た。……、俺は、大先生を見かねて…その王子に少し催眠をかけたんだ。」

「それは、…霊になってしまった彼を。彼の中に入れるものでな…。」

『…お前は、…なんでそんな、…ことを。』

「彼は、…記憶が混濁しているんだ。鬱と共に居た自分も、スラム街で育った自分も、王子として育った自分も居ることにより、…彼は自分が誰なのか分かっていない」

「……さっきの問いに答えようか。……眠ることしか出来ない王子よりかは、シャオロンとして生きた方が彼の為になると思ってな」

『そんなんッ!!…勝手すぎるやろ。』

「……、それしか選択が無かった。彼奴は…、鬱は、…優しい奴やったから。…、…禁忌をおこそうとした、……禁忌の恐ろしさを1番知っているアイツがッ!!…そこまでしようとしたんだッ!!!」

「彼奴はッ!!生き返らせようとしたんだッ!!だからッ…、だからッ!!!俺は、…その前に禁忌を犯したんだ…、」

『ッ、ぁ、…ぅ、でもッ!それはッ!!!』

『彼奴の「この先の話をしても意味は無い。それに夕飯時だ辞めろ。」……あんたは、逃げるんやな。』

「……は?」

『…毎回、ッ…毎回!!あんたは責任から逃げるよなッ!!!』

「……それが俺のやり方だ。」

『……もういい。』

俺はその場を後にした。




【gr】

『………、鬱は…きっと、……こんなことを望んではいなかった。』

呆然と言葉が出てくる。その羅列は全く意味を無していない。そう、分かってる。この言葉を全て理解している、…でも、分からない。

トントンはきっと、あの時、それは彼奴の為にはならない…って言いたかったんやろうな。

でも、俺は…彼奴の為にならなくとも…、鬱の為になる事はひとつでも叶えてあげたかった。

あの時、あの瞬間に俺に忠誠を誓った時から……俺は気づいていた。

『…彼奴は、多分……、』

その時ロボロの声がインカムから聞こえてくる。

『…夕飯か、……』

今日の夕飯は、…どうなるだろうか。

まぁ、夕飯と言いつつ宴会みたいなふうになることは分かっているのだが…。

『……シャオロン、鬱。お前らはどんな選択をするんだ?』

窓から外を見つめながら言葉を零した。




9話、にこにこ様の垢にて

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