テラーノベル
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佐久間とはこの俺が珍しく、割とまめに連絡をとった。
買い物に行ったり、美味いもの食ったり。佐久間がサウナに付き合ってくれる時もあるし、この日は俺が動物園に付き合った。
ちょうど俺たち以外誰もいない、ペンギンの前。コミカルな動きを見て喜んでいたら、佐久間も嬉しそうにしている。
「翔太、ニッコニコだな」
「けっこう楽しい」
「おぉ嬉しいねぇ。どう?付き合う?」
「んー。付き合ってみてもいいかも」
俺がそう言うと、佐久間は『やったぜ』と飛び跳ねて喜んだ。
そしてその日、帰りの車で『チューしていい?』と聞かれた。
「急だな。まぁ…いいけど」
その日は唇が触れるだけの、子どもみたいなキスをした。その前の俺を見つめる佐久間の目が優しくて恥ずかしくて、ぎゅっと目を瞑ってしまって、そんなところまで子どもみたいだった。
次に個室サウナに行った帰り、また帰りの車でキスだけした。こないだより深くてドキドキした。
三回目のデートで佐久間の家に行った。
ツナとシャチがにゃーにゃー言う中で、鍋をした。夏の鍋も悪くない。
『お前野菜食わねぇから』と佐久間は言うけど、お互い様だと思う。
片付けが落ち着いて、ソファでまったりする。隣には佐久間。テレビはリアタイできなかったラウールのドラマ。砂浜でラウールが女優さんとキスをする。
「うわぉ」
最年少ラウールの情熱的なシーンに思わず声が出て、佐久間に『思春期かよ』と笑われた。
「違うし……」
反論したその瞬間、佐久間の顔が近付いてきてキスされた。一度吸って離れ、もう一度。身を委ねていると、唇を何かがぬるりと辿った。
「口開けな?」
唇が触れる距離で、佐久間の低い声がして身体が強張った。言いなりで口を開けると舌が入ってくる。
「ん…ふぁ」
「かわい」
佐久間の舌が柔らかく動いて口の中を優しく這い回り、時々離れては可愛いと囁かれる。
『愛される』って言葉がぴったりくるような、そんなキス。
下腹部が熱い。思わず手をやったらギンギンになっていた。この年でキスだけでこんな事になるなんて思わなかったから『ぅえっ!?』と声が出た。
「なに。あ、そういうこと?」
「…っ、見るな」
隠そうとして俯いた俺の頭が佐久間の胸に抱かれ、耳元に甘い声が降ってきた。
「翔太。エッチしよっか」
コメント
7件
かわいすぎん🩷💙
女の子の日記みたいでかわちい💙
さ、さ、佐久間さん! 大人ですね!🫣(黙)