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私
達は、あなたのために用意された、あなただけの特別な人です。
私は、あなたの魂の欠けた部分を補うために創造されたのです。
あなたは、私のかけがえのない半身なのです。
私は、あなたを愛しています。
愛していなければ、どうして私がこんなにも長い間、あなたのそばを離れなければならないような状況に甘んじていられるでしょうか? それは、私の魂の半分が失われるようなものです。
あなたにとっての私の存在はそういうものですよね? 私は、あなたを愛しているし、あなたは、私を必要としてくれていた。
だから、今こそ私は戻ってこられたんです。
そして、また一緒に暮らすことができるようになったんですよ! あなたは、もう私のことを忘れてしまったかもしれないけれど、私は忘れてなんかいないんだからね!!……さあ、新しい生活を始めましょう。
「今度こそ」と心に決めていたはずなのに、どうしてこんなことになったのかしら?……いや、違うわよね。こうなった原因は私にあるのだもの。だからきっと、私が悪い子だったせいなのだと思う。
「ごめんなさい」と謝ったら許してもらえるかしら? それとも、「反省しなさい」って叱られてしまうのかな? ねえ、お兄ちゃん……。
――なんてね。こんなこと言ってたらまた怒られちゃうかしら? えへへ。やっぱりダメよね。わかってるわよ。
でもね、ちょっとだけ聞いてくれる? あたし、もう疲れてしまったの。
ううん、違う。疲れていたんじゃない。ずっと前からこうなることが決まっていたんだと思う。だから今こうして自分の気持ちを伝えておきたいなって思ったの。
あたしには夢があった。小さい頃からの夢だった。お姫様になること。誰からも愛されて、大切に扱われること。
それは叶わない願いかもしれないけど、それでもよかった。あたしにとっては大切なことだった。
あたしは幼い頃の記憶がほとんどない。覚えているのは両親の顔くらい。それもぼんやりしててはっきりとしない。顔なんてわからないようなものだしね。
でもそんな記憶の中でもはっきりしているものがある。
それはお母さんの手。大きくて温かい手に包まれていた感触だけは忘れていない。ずっと昔、まだ小さかった頃。お父さんに手を引っ張られて行ったあの日のことを忘れられずにいる。
それからしばらくして、お母さんがいなくなってしまった時のこともよく憶えている。泣いていたらいつの間にか隣にいた男の人が優しく抱きしめてくれた。その時感じたのは温かさと安心感。気がついた時にはもう涙は止まっていた。
それ以来、あたしは一人で生きてきた。誰かに頼ることもなく。自分で考えて自分の力で生きていこうと思った。幸いなことにあたしは人並み以上に頭が良かったみたいだからなんとかなった。
最初は大変だったけど今はこうして一人で暮らしている。お金にも困っていない。ちょっとした商売を始めたのだ。小さな商店だけどそれなりにうまくいっている