私はすぐに佐原先輩にメールを送った。
すると返事がすぐ返ってきた。
𓂃 𓈒𓏸📱
〔佐々木先輩の好きな物って何ですか?〕
〔杏葉の?多分フルーツとかスイーツとかだったと思うよ〕
〔ありがとうございます!〕
〔なんで急に聞いてきたの?〕
〔実は、岩瀬先輩から佐々木さんの作品を預かったんですけど、白紙の物があって…〕
〔あー…帰り際に押し付けてたやつか〕
〔だとしても白紙って…何考えてんだあいつ..〕
〔だからとりあえず、佐々木先輩を連想する何かを描こうと思って…〕
〔いいじゃん!きっとあいつも喜ぶよ〕
𓂃 𓈒𓏸
佐々木先輩の下の名前って杏葉っていうんだ…。
それよりも呼び捨てで呼んでたけど
恋人とかなのかな?
てかスイーツとフルーツか…。
案外考えるのも難しい…。
流れ星と重ねたり…?
いや、もっと不思議なものは…。
あ、佐々木先輩との合作にすれば
いい感じになるんじゃ…。
そう思い、私は白紙だった紙に鉛筆を走らせ、
下書きが完成する。
テレビから大量のフルーツやスイーツが
なだれ込んでくる絵。
そしてこの空いている部分には佐々木先輩に
人を書いてもらおう。
その時、
「なーにしてるの澪ちゃん!」
という声と共に先輩が私の顔を覗き込んできた。
「びっくりするので勝手に入ってこないでくださいよ!」
「何回もノックしたんだけどな〜」
「….聞こえてなかっただけです」
「んで?何してたの?」
「佐々木先輩から預かった紙に白紙があったので、佐々木先輩を想像する何かを作ろうと思いまして…」
「それで?」
「合作しようかなと…」
「うーん…」
「やっぱりそれだけじゃ面白くないですかね?」
「正直に言うとそうだね..」
「あ!いいこと思いついた」
「澪ちゃん、明日の部活にそれ持ってきてね!」
「え?あ、はい…」
急に声を上げたと思ったら、
ただこの紙を持ってくだけ?
やはり合作だけで終わるのだろうか。