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お嬢様、私は、貴女に相応しい女中だったでしょうか。
「見て下さい、お嬢様。綺麗な薔薇です」
今年も庭園の薔薇が咲き誇り、私は、お嬢様に一輪だけ薔薇を差し上げました。
「あら、なんと綺麗な薔薇ですの。それにしても、ケイトの髪色と似た美しい茶色ですね」
「お褒めの言葉、感謝致します」
「また来年も見られるといいですわね」
「そうで御座いますね」
今思えば、この庭園の美しき光景を見られたのは、この出来事が最後だったのでしょう。
あの薔薇も、思い出も、全て、私が燃やし尽くしてしまったのだから。
お嬢様…リリーシャ様。何て美しい方でしょうか。私は…ただ彼女の恋する瞳が好きだったのでしょうか。それにしても、私のやった行いは、許される筈がないのです。
ええ…そうですね。これから、この御屋敷の出来事と、私が犯した罪について、お話致します。