_____空が無性に青かった
雲一つない空に、私は声にならない声で叫ぶ。
ここに、道(タオ)があるのだと______
鳥の鳴き声で、ふと目を覚ます。今日も一日が始まったのだ。なんとも退屈で飽き飽きした日が。
でも、それも悪くは無い。
私はあの空の青さの秘密を知りたい。そのために私は今ここにいる。
今日も暇つぶしに豊聡耳様のところへ行こう。
あの方は面白い方ですし、
私の話を、いつもちゃんと聞いてくださる方__
「豊聡耳様~今日も来ましたわよ★」
「まったく……いつも懲りずによく来ますね」
「もう、いいじゃないですか~」
「まあ、私としても面白い話が聞けるからいいのだけどね」
「うふふ、そうでしょう?」
いつも通り平然と壁に穴を開けて、(いつも蘇我様に怒れますわ)神霊廟の中に入る。
ほこりなど無く、綺麗に整備された部屋を見つめながら、用意されたお茶をすすった。そして私が話し始める。
「今日は暑いですわね。幻想郷がここまで暑いのは初めてじゃないかしら」
そう、今日は本当に暑かった。だから年中ずっと快適な温度を保つ神霊廟に避難してきたのだ。
「それに比べて、ここは快適ですわ」
「そう、それは良かった」
「豊聡耳様は今日どこかへ行く予定があるんですか?」
「いや、特に無いかな、外は暑いし」
「早く冬にならないかしら、私、夏より冬派ですわ」
「ふふっ、冬はまだまだ先ですよ、青娥」
そんなくだらない話をしながら、今日が過ぎていく。それが私の日常だった。
「青娥はいつも道の研究をしているの?」
「ええ、そうですわ、たまに博麗の巫女とも話ているの。まあ、真面目な話になったことはあまりないのだけど」
「そういえば、この間異変があったらしいよ」
「ふーん…そうなんですか……」
「まあ、結局霊夢が解決したみたいだけれど」
「異変解決だなんて、私は絶対にしたくありませんわ」
「あははっw、青娥らしいね」
いつも夢を見る。
その夢は、決まって『あの日』だった。
たくさんの人が死んだ日。辺り一面に死体が転がっていた。でも、ただ、青かった。空は雲一つない碧さで輝いていた。
その日から、私は道を、その碧さを探し始めた。きっと見つけられる。その秘密を知れば、私はきっと真人になれる________。
これは一人の少女が、道を望み、道の秘密を探り、そして、それを見つけるまでの儚い物語(ストーリ)です。
第一話 終
コメント
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青娥ちゃん可愛いよぉおぉ!!