俺は昔から誰にも愛されなかった。家では殴られ、蹴られ、学校では虐められ、そんな僕の拠り所はボクシングだった。電気屋の前にあるテレビに掛かっているボクシングを見てから興味が出た。だけど習わせて貰うことは出来なかった。だから自己流で練習を重ねた。同級生にバカにされることもあったが無視して強くなってアイツらを殺すと言う気持ちで取り組んだ。
それから数年後俺は木をへし折れる程の強さが身についた。その強さは周りの人間を見返すことが出来たが、友達もその強さにビビって出来なかった。俺はその強さをスポーツにも活かすことを考えた、サッカー、野球、ドッジボール、バレー、バスケ色々なスポーツに形を変えてその力を活用した。
結果、プロ顔負けの強さを身につけた、正直俺に勝てるやつはどこにも居ない。俺の長所は力の形を変え様々なことに活用できるところだ。
それの長所が今活躍するとは思ってもいなかった。
「っ?!遥輝ごめん!!!」
「大丈夫!!それよりも戸部くんに気をつけて!戸部くんは人間の強さじゃ勝てない!!」
「どういうことだ?」
「彼はプロ顔負けのスポーツプレイヤーなんだ!だから気をつけて!!!」
「わかった!遥輝!」
「脆い、弱い、すぐに壊れる。面白くない。俺はこれには参加しない。お前らだけでやれ」
「とべっちー!それはないよ!」
「・・・」
「もう!とべっちー嫌い!」
「いけ!ひろゆき!」
「おらよ!」
「いったーい。ごめーんさとちゃん当たっちゃったー」
アイツらが話しているうちに俺がひろゆかにボールを渡し、当てるようにした。やっぱり俺が投げるよりひろゆきが投げた方が当たる確率は高い。
「残り15分!」
突然たぬきが喋りだして言い出した。このゲームに時間制限があるなんて。しかしたぬきのお腹をよく見ると小さな文字で『 あたうといきたる』と言う暗号が書いてあった。なんの事かさっぱり分からなかったがこのゲームのクリアの鍵になることは何となく分かる。
「おい!お前ら見ろ!たぬきのお腹に!小さな文字g」
そう言おうとした途端ボールが来ていた。
「さっきのお返し。」
と佐藤が言った。
「高橋浩二OUT!」
油断していた。お腹の暗号の解読をするのに目が行っていた。
4対3不利な状況には変わりない、多分だがうちのチームで戸部とやり合えるのはひろゆきだけだろう。多分あいつでも無理だ。どうやれば勝てるんだ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!