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毎日夜中に帰ってきて、朝食作りのために一瞬起きて、朝食を作ったらまた寝る。それが森瑠奈の日課。どんなに眠くても朝食は作ってくれるから尊敬の気持ちを持ったこともあったが、パパに毒入りの食事を食べさせるためだと知って今はもう嫌悪感しかない。
ただ、かつてはいじめられているパパをよく助けていたという。それが二人の交際のきっかけなのだろうか? 悪魔と呼ばれる余が言うのもおかしいが、余にはまだ瑠奈の良心に期待する気持ちが残っていた。
朝は起こしても起きないし、帰ってきた夜中に捕まえて話すしかない。
「ママ、おかえりなさい」
「まだ起きてたの? 夏休みだからって夜更かしばかりしてたら不良になるよ」
パパを裏切っている不良妻が何を言う? と心の中で毒づいたがもちろん口には出さなかった。
「たまには話がしたいと思ってさ」
「眠いんだけど」
「ちょっとだけだから」
「じゃあ、十分だけね」
パパならどんなに眠くてもいくらでも話を聞いてくれるのに。まだ何も話していないのに殺したいくらいイライラする。まあ、我慢しますけどね。