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〇月×日
今日は瑠羅お姉ちゃんの家へと来ていた。
手紙の中に、瑠羅お姉ちゃんの住所が書いてある紙と共に……。
零斗「……ここ、此処がお姉ちゃんの家……。」
僕はすぅうと、深呼吸をした。そしてチャイムを鳴らした。
ピンポーン……。ガチャ…。
璃羅の母親「はい。あら!零斗君!来てくれたのね!ささ!入って入って!」
零斗「お邪魔します…」
璃羅の母親「そうだ、零斗君。お茶飲む?あ、珈琲もあるけど……砂糖入れる?」
零斗「あ、いや、ブラックで大丈夫です。」
璃羅「あらぁ、大人ねぇ…。そっか。そうよね。零斗君も、もう高校生だもんね…。」
零斗「……。」
璃羅の母親「あら、ごめんなさいね…しんみりしちゃったわね。そうだ。璃羅の部屋に零斗君に宛てた手紙があるみたいだから。見に行ってあげてくれないかしら?」
零斗「はい。分かりました。」
零斗(えーっと……此処が璃羅お姉ちゃんのお部屋……。失礼しまーす……)
ガチャ……。
零斗「わぁ……。」
(女の子の部屋って初めて入ったけど……すごく可愛いもので溢れてるな…。入院してた時に持ってた人形……懐かしいな……)
零斗「これかな?……えーっと……。」
僕は暫く璃羅お姉ちゃんの部屋の中を探索した。
その中でテーブルの上にちょこんと置かれていた手紙を発見した僕は、早速読んでみることにした。
「零斗へ、
零斗がこの手紙を読んでいるってことは、多分私はもうこの世界には居ないんだよね……。ごめんね、零斗との約束。守れなくて…。怒ってるよね。零斗が退院してから直ぐに、私の体調が悪くなって、お医者さんたちもすごく頑張ってくれてたけど、私はもう分かってたんだ。それに私はずっと、20歳まで生きれないって言われてたの。でもそれでも16歳まで生きることが出来た。それだけでもう十分だよ。それに生きてる間に零斗に会うことが出来た。それだけでも凄く幸せだったよ。」
零斗「……っ……。璃羅……お姉ちゃん……っ…。」
(怒ってない……怒ってなんか…無いよっ…。僕こそごめんね…。病院に行けなくて……。最後の日に……。会いに行けなくてごめんね……。)
零斗「あ、まだ続きがある……。」
「ねぇ、零斗…。あのね、実は私分かってたんだ。ずっと零斗が私の病室に来てくれてたことも、病院に来てくれてたことも。
でもごめんね……。私は弱いから…。零斗に会える自信がなかったの…。元気な姿で会いたくて…。零斗がいつも帰っていく姿……。窓から見てたよ…?それでも毎日来てくれてたよね……?私すごく嬉しかったんだ……。だから、最後の日に会えなかったこと。零斗はきっと自分を責めてるよね?でも責めなくていいんだよ?零斗は元気になって退院したんだもん。それに、あの日は中学校の卒業式だったんでしょう?来れなくて当然。だから怒ってないよ。」
零斗「……璃羅お姉ちゃん…。知ってたんだ……。」
カシャン……。
零斗(ん……?これは……鍵…?)
「鍵が入ってたよね。その鍵ね、あの日ふたりで埋めた、「タイムカプセル」の続きが入ってるの。病院の私が入院してた部屋のベットの引き出しの中に入ってるから。開けてみてね。病院の人達には許可もらってるよ。」
零斗「……璃羅お姉ちゃんらしいなぁ…。最後の最後まで…いたずらっ子なんだから…。」
病院のナースさん 「あら?零斗君……?!久しぶり……!元気だった……?!」
零斗「はい。お陰様で。…そうだこれ…。」
ナースさん 「ああ…。見たんだね。手紙…。…着いてきて?」
零斗「はい。」
零斗(あの時のままだ……あの時のまま保存されてる……。)
ナースさん 「ここね…。本当は片付けようと思ってたんだけど…。璃羅ちゃんがね……。どうしても片付けないでって言っててね…。いつか零斗が帰ってくるからその時まで待ってて…って。そう言われて……。」
零斗「……。そうだったんですね…。」
ガチャ……。
零斗(手紙だ……。)
「零斗へ、ここまで辿り着けたったことは、病院の人達は私の最後の願いを聞いてくれた。ってことだよね…?……ねえ零斗……。覚えてる?いつかまた2人で満点の大空で星を見ようって約束したよね…。あの時の約束…まだ果たせるかな…?…もし、もし零斗が良いのなら…
私を…
「あの時の星の下」に
「連れて行って」欲しいんだ…。
無理なお願いしてごめん…
でも私はどうしてもあの時の空がみたい。零斗との思い出…忘れたくないんだ。」
零斗「璃羅お姉ちゃん……。」
(僕だって…僕だって2人でまた見たかったよ…。きっとこの手紙を書いてた時、璃羅お姉ちゃん、泣いてたんだよね……。手紙に点々と……涙のあとが着いてるもん……。…分かったよ。璃羅お姉ちゃん。僕。璃羅お姉ちゃんを連れていくよ。)
璃羅の母親 「……ここつったんだね……。璃羅がずっと言っていた星がいっぱいの空って……。」
零斗「……はい。ここで2人で、いつかまた、この空を2人で見ようねって……。約束したんです。」
璃羅の母親 「…そうだったんだね。……ほら。璃羅……。星だよ……。璃羅見たかったんだよね……。」
璃羅の母親 「嘘……。流れ星………。」
零斗「……きっと、きっと璃羅お姉ちゃんが帰ってきてくれたんですよ……。」
「あの時見れなかった…。」