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2024 09/09 16時44分 前半部分投稿
2024 09/09 18時05分 後半部分投稿
2024 09/10 18時24分 主→お主、主人に変更
2024 09/11 14時10分 元11話神獣アルディークと元12話血の盟約を合体
2024 11⁄03 07時30分 表示ミス修正
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◆◇◆◇
「なんだ、あれ、、」
俺達の前にあったのは、巨大な黒豹の像だった。
食い入るようにその象を見ていると、黒豹と目が合った気がした。
え?
違和感を覚える間もなく、意識が突然薄れた。
◇◇
「うっ、、、」
俺はしばらくして気を取り戻した。
そして立ち上がろうとした時、思わず声が漏れた。
とてつもなく頭が痛い。
思わず頭に手を当て、なんとか上半身を起こすと、、
目の前に、巨大な黒豹が座って、赤色の双眼で俺を見ていた。
ん?黒豹?
ふと、巨大な黒豹の石像の方向に目を向けると、そこには石の台座だけが残り、肝心の黒豹の石像は、居なくなっていた。
、、、何があった?
そしてまた視線をを目の前に座る黒豹に移した。
すると、黒豹が大きく口を開いた。
あ、終わった。食われる。
俺は痛みを覚悟して目を閉じた。
【聞こえるか、闇と光を持つ者よ】
あれ、頭から声が聞こえる?
【驚かせてすまなかったな。我が名は神獣アルディークだ】
、、まさかとは思うがこの声の主は、俺の目の前にいるこの黒豹?
【その通りだ。お主が我と共鳴したことで我の封印が解けたのだ】
ほぉ、、、
【そこでお主に相談なのだが、我の主人になってはくれまいか】
、、、え?
どゆこと?
【そのままの意味だ】
ふーん、そのままの意味かぁ、、え、つまり俺のペットになるってこと?
【、、その「ペット」という概念は分からぬが、恐らくそういうことだ。我と主は血の盟約を結ぶこととなる。その際に大量の血と精神力を使用するが、その代わりに我を従魔として手中に収めることが出来る。いい話ではないか?】
確かにいい話だ。
いい話なんだが、、
いい話すぎて少し疑う。
そもそもどうして急に俺に従魔になるとか言ってきたんだよ?
【我はそして封印されている時に魔力などを吸い取られ、恐らく封印から解放されてもあと数ヶ月もしたら消失してしまう。
今主に見せている姿もただの幻影。具現化は出来ていない。
だから、具現化して真の力を取り戻し、我の夢を叶えたいのだ】
その「夢」とは?
【大地を駆けて世界を走ることだ。
この我の夢を叶えてはくれまいか】
うん、その契約受けるわ。
その夢、叶える。
でも、ひとつ気がかりなのが、
血の盟約をする時に精神力と血を大量に失うって言っていたけれど、それで俺死んだりしないよね?
【そこはモーマンタイ。
主の精神力と血の量は我との血の盟約には十分すぎるほどある。】
よかった。
じゃあ早速血の盟約を結ぼうかな。でも、、どうすればいいんだ?
【それはだな、、、】
俺はゴクリ、と息を飲んだ。
【まず我の血とお主の血を融合させる。そしてその混ぜた血で陣を書き、その陣の上で命名の儀を行ったら、血の盟約が、、】
血の盟約が、、?
【できるんだったと思う。】
え、一気に不安になったんだが。
◆◇◆◇
【じゃあ血の盟約を開始しよう】
「了解」
流石に脳内会話もずっとしてると疲れる。
そういえば、どうやって血を出そう。武器も刃物も何も持たずに鎖だけでここまで来たからなぁ、、
鎖で血を出そうとしたら多分そこに風穴が開く。
【どうかしたのか?】
「血を出すための道具がなくて、、」
【なんだ、そんなことなら、、】
神獣アルディーク様が少し前足を振ると、突然俺の左手から血が大量に垂れてきた。
すげー、神獣ってこんなことも出来るのかよ、、
するとアルディークがどこからか流れてきた血を浮かせながら、
【そういえば言い忘れていたが、、
血の盟約を結んだら我は消滅こそしなくなるが、今よりも力、能力を失うだろう。姿は我のさっき具現化した姿、小さな黒猫のような姿になるだろう。そして恐らくこれまでの記憶も無くなり、喋ることも出来なくなる。ただ、お主が主人ということは忘れないから安心して欲しい】
喋れなくなる、か。
それはそれで少し寂しいな、、
でも、アルディーク様を消滅させない為にしないといけない事なんだもんな。
ていうかあの黒猫、神獣アルディーク様の具現化した姿だったのかよ、、可愛いじゃないか。
真の姿では無いらしいけど、、
可愛いこそ正義。
そんなことを考えている間にアルディーク様が血を融合し、手早く魔法陣も用意してくれた。
仕事が早いな、流石は神獣様。
【では、命名の儀を行ってくれ】
「分かった。そういえばアルディーク様が真の力を取り戻すには何をしたらいいんだ?」
【恐らく、我と共鳴するアイテム等を我に吸収させてくれれば、いずれ真の力を取り戻すだろう。、、、そろそろ幻影として現れているのも限界だ。命名の儀を開始してくれ、、】
「分かった。」
俺はアルディーク様が用意してくれた魔法陣の中に足を踏み入れた。
、、名前、かぁ。
アルディーク様、、
神獣、、、
黒猫、、、、
もふもふ、、、、、
肉球、、、、、、
なんか変な方向に行っている気がする。
んー、、めっちゃ名前を変えるのもあれだし、、
アルディーク、、ディーク、、
「あ、アルとかどうだ?」
【アル、、アルか、、気に入ったぞ!!】
次の瞬間、突然何かが大量に体の中から消失したような感覚に陥った。うっ、頭が痛い、、それに気持ち悪、、、
そんな俺を尻目にアルディーク様、、、もといアルは、声は聞こえないが遠吠えをしたのだろう。
空気が思いっきり振動した。
その瞬間、幻影だったアルを緑色の光が包み込んだ。
【主人、、感謝するぞ、血と精神力を我に分け与えてくれて、、我の主人となってくれて感謝する。
最後に、、お主の名を聞かせてはくれまいか?】
俺は気持ち悪くて吐きそうなのを我慢して口を開いた。
「お、俺の名は、、井澤祐介だ、」
うえっ、、気持ち悪すぎる、、
それに少し意識が朦朧として、、、
【そうか、、ユウスケ、改めて礼を言う。本当に主人のような人族がいてがいてよかった】
そして完全にアルを包み込んだ緑色の光は一瞬強く光り、そのあまりの眩しさに俺は目を閉じた。
そしてその光が収まると、さっきまでアルが居た場所には、、、
小さな、目の赤い黒猫が座っていた。
そしてその黒猫を見たところで、俺の精神力は一時的な限界を迎えたようで、意識が途切れた。
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