🇺🇸でさぁ〜!聞いてくれよ〜!
ダンッと大きな音を立ててビールの瓶を机に置き、顔を伏せるアメリカを横目に俺は持参していたウォッカを口に運んだ。
🇷🇺おいアメリカ、お前下戸なクセにそんなヤケになって呑むな、明日吐くぞ
🇺🇸吐いても二日酔いでもなんでもなってやるよ…!
今日、滅多に連絡を取り合わないアメリカから呑みに付き合えと連絡を寄越された。
行くのはまぁ、正直面倒臭かった。
普段から煩いし、こちとら呑みに行ってもお前は呑めないだろと思っていたからだ。
だが実際来てみればこのような有様だ。
🇷🇺…はぁ
俺は小さく溜息を吐き、アメリカに聞く。
🇷🇺日本と何かあったのか?
するとアメリカの肩がピクッと動いた。
🇷🇺その様子じゃあ、やっぱり最近構ってくれていないんだな
俺がそう言うと、アメリカはムクッと顔を上げた。
心なしか少し目が赤くなっているように見えた。
🇺🇸俺さ…最近日本に構ってくれていないっつうか、避けられてるように感じるんだよなぁ
🇷🇺ふうん、その理由は?
そこからはゆっくりゆっくり、時間をかけてその理由をアメリカから聞いた。
🇷🇺…成程な、とりあえずお前はもう呑むのを辞めろ
俺は理由を話しながら何本目かも分からないビールに手を伸ばすアメリカを止めた。
🇷🇺まあでも、それは避けられている訳じゃない
🇺🇸…あはは何お前…知ってるような言い方じゃん…
アルコールが回り、喋りがままなっていないアメリカがゆっくりと呟く。
🇷🇺…さぁどうだろうな、俺は知らない
🇺🇸どっちだよふざけやがって…昔っから勘だけはいい癖に…
そう言ったかと思えば小さく寝息が聞こえて来た。
🇷🇺…寝たか
まあ、あれだけ呑めば仕方ない話だ。
俺はゴクッと、持参した残りのウォッカを飲み干した。
🇷🇺…
確かに俺は昔から勘はいい。
…だが勘で言ったわけじゃない。
今回の話は事前から知っていた。
日本がアメリカと少し距離を置いている理由も。
俺は自身のスマホを取り出し、ある男に電話を掛けた。
(…はいもしもし、どうされました?ロシアさん)
掛けると意外にも早く繋がった。
🇷🇺あー日本今大丈夫か?すまないがアメリカが酒を呑んでしまってな、寝こけてしまっているんだ、だから手伝いに来てくれないか?
(えっ⁈お酒呑まれたんですかアメリカさん!分かりましたすぐ行きます、場所は何処でしょうか?)
🇷🇺〇〇だ
(すぐ行きます!)
電話越しから慌てている様子が見て取れる。
俺はハッと笑った。
🇷🇺アメリカ、お前があいつに嫌われたかもなんて勘違いだ、今でもあいつはお前の事想っているぞ
俺は聞こえている筈もないアメリカにそう言葉をかけた。
『続』