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#グロテスク
観測者l!!@暑すぎて溶けた☆
38,248
#mmmr
菜津/natsu
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御茶屋は、沈みかけた陽を見ている。
「…御茶屋さん、」
「…妹さんのことは、憎くないんですか?」
メテヲは、率直にそう聞く。
「気になったんです、そんな環境にいたら、妹が憎くて仕方ないんじゃないか、って。」
「妹…ですか。」
「憎くはない、です。」
「関わりもあんまりしなかったし…謝りたいだとか、そういったものもない。」
「私はここで…ガンマスさんの下で…ただ生きたい。」
「ガンマスさんは、真正面から私を見てくれた人です。」
「1年、3年…ましてや5年経っても、それは変わることはなかったんですよ。」
「当時、ガンマスさんは25歳くらい、でした。」
「…見知らぬ大人が未成年を保護することって、正直良くないことだとは思うんです。」
「…それでも、今はガンマスさんに頼るしかありませんでした。」
少し曇った空を眺め、薄緑色のショートヘアが静かにたゆたった。
それは静かに揺れる花を思わせるほど、儚く美しいものだ。
無機質な光が照らしているのかもしれないが、今の彼女は、出ている陽の方を向く向日葵のようである。
____
_ある冬のことだった。
「…き、君、大丈夫?」
「…」
御茶屋とは対照的に、あの日の”茶子”は、ただ下を向いて歩き、森に寝そべったあと、傘もなしに雨に打たれていた。
「…」
「…誰、ですか?」
暗くてよく見えないが、それでもわかるものはあった。
ガリガリにやせ細り、光を宿さない目を見て、ガンマスは咄嗟に自分の着ていた上着を渡した。
「…優しくしないでくださいよ。」
茶子は、睨むような目でガンマスを見た。
紙面越しにもわかるほど、驚いた様子のガンマスが慌てて言う。
「そんな事できないからね!?」
「あなた今自分がどういう状況か分かってるのかな!?」
「…そうかもしれませんけど」
「私がおかしいんですから、どうせ私はここで…」
ガンマスはもどかしさを抱えながら頭を搔く。
「あぁあもう!!私の家!来て!本当にヤバそうだから!!」
「…え?」
ガンマスは決して茶子に触れようとはしなかった。
「…なんで?なんでですか…?」
待ったのだ。
茶子が立ち上がるのを
「やっと立った!寒いでしょ!ほら行くよ!」
彼は勢いで茶子を押し切り、自身の家に招いた。
自分も雨に打たれ、きっと寒いだろう。
茶子はそんなことを考える。
_出会った日は、あまりにも寒い日だった。
ゼロを下回る、寒い寒い夜。
「…どうして?わからないです。」
茶子は、ガンマスの家の広間にある、ふかふかのソファにいつの間にか腰掛けていた。
長く整えられていない髪が、静かに揺れていた。
茶子のやせ細った身体には不釣り合いなほど、明るくて暖かく、豪華な部屋。
「…何があったのか知らないし聞くつもりもないけど、大丈夫なの?」
「大丈夫ですけど。」
茶子の目はどこか遠くを見つめていた。
「ぁああ!!もう!今日は寝なさい!ここで!」
「…え?ここで?」
「うん!そう!ここで!あなた本当にやばそうだから!ね!?」
頭に響く声だ、だがここに嘘自体は感じない。
「あ、もしかして心配してくれてるんですか?」
茶子は違和感すら覚えるほど冷静に、問いかける。
「…え…」
またガンマスは絶句する。
茶子はそれに多少怯えた顔をする。
だが、ガンマスの返答は、茶子にとって全てをひっくり返されるような、壊されるような、変なものであった。
「に、人間なら当たり前なんじゃないの?」
「…え?」
茶子はその日__否、家を出たあの日から初めて、大きく感情を見せた。
___
「だから、あの人は恩師ですよ。」
「あの人と出会ってなかったら、確実に私はタヒんでいましたからね。」
「本当、冗談にならないなぁ…」
メテヲは困ったように笑った。
「…でも、ガンマスさんもですけど…、貴方と出会えて本当に良かった。」
「こんな話、ちゃんと聞いてくれるのはきっと、ガンマスさんとメテヲさんしかいませんから。」
「リィン・システムに向き合ってる人はきっと、私に興味なんてありませんし。」
「どこかで菓子と関わってる皇の方がいたら…私の言い分なんてきっと聞いてはくれませんから…」
メテヲは、御茶屋も映る窓を見やって、呟く。
「本当にそうなのかなぁ。」
そう言って首を傾げる。
「………メテヲさん…」
御茶屋は、少し驚いたような表情をする。
「みんな外道って訳じゃないと、メテヲは…思うけどな。」
俯く御茶屋に、メテヲは率直な言葉をかける。
「…だって御茶屋さんは、興味無い素振りとか…そんなこと、メテヲにしなかったじゃん。」
「メテヲを、事故に巻き込まれただけの被害者ってことにしなかったじゃん。」
「あ…」
彼の不器用な優しさなのか分からない。
だが、御茶屋にとってそれは_考えさせられるような、言葉だった。
「御茶屋さん、貴方は自分を卑下しすぎてるよ。」
「はは、メテヲが言えた話じゃないんだけど。」
夕陽に照らされるメテヲは、混ざりあってどこかへ消えていきそうだ。
だが彼には確かに_生きようとする炎が宿っている。
「…メテヲは生きるよ。」
「御茶屋さんがあの日、ガンマスさんに救われたみたいに_。」
「メテヲは、御茶屋さんに救われたよ。 」
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