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とある日 ― 静かな午後
ORVAS訓練施設・中庭
(木漏れ日が差し込み、穏やかな風が葉を揺らす)
一祟「公太さん、少しお時間をいただけますか?」
公太「ん? なんだよ、一祟。」
一祟「昨日のことについて、お話したいことがありまして。」
公太「昨日? ……ああ、唯我のことか。」
一祟「はい。公太さん、昨日の戦いの際にとても怒っておられましたね。」
公太「……別に、大したことじゃねぇよ。あいつがあんなふうにやられてんの見て、ムカついただけだ。」
一祟「それが大事なことなのですよ、公太さん。」
公太「は? なんだよ、それ。」
一祟「公太さんは、唯我さんを仲間として大切に思っているからこそ、怒ったのではありませんか?」
公太「……うるせぇよ。ただ……気に食わなかっただけだ。」
一祟「それでも、助けましたよね。公太さんの行動は、とても立派でした。」
公太「……お前、なんでそういうことストレートに言うんだよ。」
一祟「私はただ、公太さんの成長を感じたのです。」
公太「……チッ、うぜぇな。」
一祟「それが私の性分ですので。」
(公太、少しだけ照れたように空を見上げる)
唯我の家・ベランダ
(曇り空の下、唯我が一人で外を見ている)
公太「おーい、唯我。」
唯我「……公太、一祟か。」
公太「よぉ、傷の具合はどうだ?」
唯我「……問題ない。少し痛むが、戦える。」
一祟「無理はなさらないでくださいね。」
唯我「……ああ。」
(少しの沈黙)
公太「……唯我、昨日のことなんだけどよ。」
唯我「なんだ?」
公太「……お前がやられてんの、ムカついたんだよ。だから……まあ、次はやられんなよ。」
(唯我、少し目を見開く)
唯我「……ああ、次は負けない。」
一祟「よかった……お二人が、こうして前を向けるようになって。」
公太「チッ……なんか、こういうの慣れねぇな。」
唯我「……俺もだ。」
一祟「ですが、それが“仲間”というものではないでしょうか?」
(公太と唯我、目を合わせる)
公太「ま、そういうことにしとくか。」
唯我「ああ……悪くない。」
(風が吹き、風鈴が澄んだ音を鳴らす)
「三人の距離は、確かに縮まっていた。だが——その先に待つものを、まだ誰も知らない。」
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