テラーノベル
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その角、影に溶け込むようにして立っていた沖田総悟は、手にしたバズーカの引き金から指を離した。
(……へぇ。こいつは驚きやした)
視線の先では、あの土方が、顔を茹で上がったタコのように真っ赤にして山崎の部屋から飛び出してくるところだった。
いつもなら「土方コノヤロー」とぶっ放すところだが、今、総悟の興味は完全にその「中身」へと移っていた。
わずかに開いたままの襖の隙間から、部屋の中で呆然と座り込む「薄紅色の影」が見える。
(山崎の野郎、地味を売りにしてるくせに、あんな隠し玉持ってやがったんですかい)
総悟の瞳に、冷ややかで、けれどどこか楽しげな光が宿る。
普段は地味で、何の特徴もないはずのザキが、あんなにも「女」として完成された形を見せている。
そのギャップもさることながら、総悟が何より愉快だったのは、「あの土方が、あんなベタな独占欲を剥き出しにした」という事実だった。
(「俺以外の前で作るんじゃねぇ」……? どの口が言ってんでィ。聞いてるこっちが反吐が出まさァ)
土方のあんなにも余裕のない、必死な声。
それは、山崎への恋心がもはや隠しきれないレベルまで肥大化しているという、最高の「証拠」だった。
(……さて。どう料理してやりやしょうか)
総悟の口元に、三日月のような邪悪な笑みが浮かぶ。
普通にバラして恥をかかせるのは芸がない。
山崎をさらに着飾らせて、土方の前で
「山崎、あんた綺麗でさァ。俺とどこか行かねーですか」
とでも囁いてやれば、あのマヨラーは今度こそ血管を切らして死ぬかもしれない。
(山崎のポテンシャルを「土方さんを殺す武器」に使う……。これ以上ねェ贅沢でさァ)
山崎へのほんのわずかな
「案外悪くねェじゃねーですか」
という感心は、すぐに
「極上の玩具を手に入れた」
というサディスティックな喜びへと塗り替えられた。
総悟は足音を消して、ゆっくりと山崎の部屋へと近づく。
「おやおや、山崎。いい趣味してやすねィ」
襖をガラリと開けた総悟の声は、獲物を追い詰めた獣のように、どこまでも愉悦に満ちていた。
コメント
1件
第2話読了〜!!沖田くんの腹黒全開で最高かよ😭💕 土方さんがあんなに動揺してるの初めて見たし、山崎の「隠し玉」に気づいた瞬間の総悟の目がもう完全に『玩具発見』モードになってて笑ったww 「極上の玩具」発言エグすぎるwww 次はどんな嫌がらせ(?)が飛び出すのか、待ちきれない⋆♡