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妖怪沢どろり、海街深蔵、恋原表裏一体、
酒池肉林、白雪毒林檎、能面組子の6人は
小テストの打ち上げのために米津町に新しく出来たファミレス《オブソミート》 に
来ていた。
「乾杯ーーー!!!」
と、コーラを持った林が乾杯の音頭を
とった。
「「乾杯ーーー!!!」」
と、表裏一体と組子がグラスを合わせた。
どろりと深蔵と毒林檎が乾杯をしなかった
のには理由がある。
それは酒池肉林の能力が
《乾杯をすることで場酔いを引き起こす》
というものであるからだ。
そこで、真面目などろりと白雪ちゃんは
乾杯を辞退し、酔っ払いを心の底から軽蔑している海街もこれを辞退したのだった。
「それにしても…….どろりのその
ドリンク…….何?」
珍しくドン引き……と言った表情で
表裏一体がどろりのドブみたいな色の
ドリンクを指さした。
「えっ?……何って、ドリンクバーにあった飲み物全部まぜたやつだが?」
きょとん、とした顔でどろりはドブみたいな
色のドリンクを平気で飲んでいた。
どろりはファミレスでドリンクバーに行くと
飲み物を混ぜずにはいられない性質だった。
「…….いや、いやいやそれ罰ゲームとかで
飲むやつじゃん!!!なんでそんな普通に
ぐびぐび飲んでんの!!!?」
表裏一体は信じられないと言った顔でどろりを見た。そうしてどろりと表裏一体は
やいやい口喧嘩をした。
「あっはっはっは!!ほんっとお前ら
仲良いよなーーー!!!」
《頓珍漢の宴》の効果ですっかり酔っ払った
林はベロンベロンになりながら言った。
「でも、すごいな….。自分達で部活作る
なんて…….。」
白雪ちゃんはカルピスソーダを呑みながら
言った。
「別にすごくはない、《ボランティア部》と言っても非公認だからな。」
ドブ色のドリンクを呑みながらどろりは
言った。
「そうなの!!?」
と表裏一体は目と口を大きく開けて驚いた。
(知らなかったのか……。)
と海街は端で存在感を消しながらそう思った。
海街は小テストでどろり達へ助けて貰ったお礼としてこの打ち上げに参加していたが、ぶっちゃけこのワイワイとした雰囲気が心底苦手だった。
「ああ、僕ら《ボランティア部》は三人しか
いない。正式に部活として認められるには
あと二人部員と顧問が必要だ。それに僕らには 部室がない。海街の《深海シティーアンダーグラウンド》があれば部室は必要ないからな。」
そう言ってどろりはドブ色のドリンクを
飲みきった。
どろりが部員を増やさなかったのは理由がある。
自分の能力、 手の平で触れた人間をどろどろに溶かす 能力《メルト》をなるべく他の人間に 知られたくなかったからである。
どろりが自分の能力を教えているのは
海街と表裏一体の二人だけである。どろりは
この能力を、親にだって教えたことはない。
《しばらく雑談する6人》
「おまたせしましたー。当店自慢のチーズ
スパゲッティでーす。これからお客様に
ストップって言われるまで躍りながらチーズをかけるので 是非私達のパフォーマンスを楽しんでいってくださーい。」
ツインテールの従業員とツインドリルの従業員の二人はそう言うと軽快な音楽をかけ
躍りながらスパゲッティにチーズをかけていった。驚くべきはその 正確さ。
あれだけ激しくダンスをしてるのに チーズがまったく床や机に溢れることなく パラパラとスパゲッティにかかっていった。
「わーー!!すっごーい!!☆お姉さん達も
能力者ですかーー!!?」
表裏一体は目を輝かせて言った。
「企業秘密でーす。」
従業員のお姉さん二人は躍りながら笑顔を崩さずに言った。恐るべきプロ根性である。
「え、これ!!インスタにあげていいですか!!?」
林がスマホを用意しながら言った。
「どうぞどうぞー!!!」
お姉さん達は笑顔で言った。
(最近のファミレスってすごいんだな ….。)
とどろりは思いながら最近、《ボランティア部》の活動で海街と表裏一体にお金を渡しているためおこづかいがピンチなことを思い出した。
(バイト…….探さないとなぁ…….。)
とどろりは思った。
結局スパゲッティにこんもりとチーズが
乗るまで従業員のお姉さん達は躍り続けた。
テンションの上がった女子四人はお姉さん達と写真を撮った。
「ほら、なにボサッと座ってんの!!
どろり達も写真とるよー☆」
表裏一体は《裏表ラバーズ》でどろりと
海街を女の子にしながら二人の腕を引っ張った。
(早く帰りたい。)
と海街は思った。
彼ら彼女らの打ち上げはまだまだ続く。
(最後まで読んでくださりありがとうございます。)