ドアが勢いよく開いた
「光?ドアはゆっくり閉めてよ〜」
そういいながら玄関の方を見ると
息を切らした光が突然叫ぶように
といい光は俺の手を引っ張って外に連れ出した
「ねぇ!光!これどういうこと?!」
「ねぇってば!」
光「あぁうるせぇ!今!魔物が街に来てんの!わかったか?!」
魔物が来てる…?
「何しに来たの?!」
光「知るかよ!!そんなの分かってたら苦労しないっての!!」
「じゃあさっきまで街にいた人たちはどうなるの?!」
あのままじゃ取り残される…
光「知るか!とにかく俺らは逃げるしか出来ねぇんだよ!」
「ねぇ!光!やっぱ戻ろうよ」
光「はぁ?!何言ってんだよお前!こんなとこでお人好しになってんじゃねえよ!いいか!俺は行かねぇからな!」
なんでそんなことが言えるのだろうか
光だってみんなに助けられて生きてきたのに
なんでそう簡単に切り捨てられるのか俺には分からない
「…わかった、じゃあ光は先に逃げといてよ!俺は助けに行く!」
そういい、光の手を振り払って街の方に走った
その時後ろから「おいまてっ………」という声が聞こえたが気にしない
「はぁっはぁ…」
やっと着いた…はやく
はやくみんなを見つけなきゃ
そう思いながら荒れ果てた街を探した
「くそっ見つからない…」
いつもなら言わないような汚い言葉を吐き出す
「う”…」
さっきより嫌な匂いがきつくなる
鉄のような匂いがして
頭が痛くなる
人が見つからない
何故だ、なぜ見つからない
さっきまであんなに笑顔な人たちがいたのに
なんで
なんで見つからない?
さっきから見つけるのは赤い水たまりと何かの塊だけ
あれは何かの塊であってあの人たちじゃない
ちがう
とにかく人を探さなきゃ
その時に近くから女の子の泣き声が聞こえた
それが聞こえるとすぐに俺は声の方に走り出した
そこには赤黒く染ったクマの人形を抱え「おかぁさん、おかぁさん」と泣く小さな子が1人いた
「大丈夫?怪我は無い?」
俺はできる限り優しい声で怖がらせないように女の子に近づいた
一瞬こちらの方を見たが怖いのか肩を震わせてそっぽを向かれた
俺は怖いと思われるサングラスを一旦外し、女の子と同じ目線になるように座った
女の子はそっぽを向いているけど気にしない
「大丈夫?怪我は無い?」
反応は無い
「そのクマさんはお母さんに貰ったの?」
あ、少しこっち向いた
「かわいいくまさんだね」
女の子は目をきらきらさせてこっちを見てる
「その服もお母さんに買ってもらったの?」
女の子「うん、でもね…大きな怪物さんにちょっと破られちゃったの…」
「え、その時に怪我はしてない?」
女の子「してない!でも、でもね去年の誕生日に買ってもらった服なの…お母さんが頑張って買ってくれた服なの」
「大事なものだったんだね」
女の子「…うん!おかぁさんにもらった大事なものなの!」
「そういえばお母さんはどこに行ったのかわかる?」
女の子は下を向いた…あ、やべ聞いちゃいけない事聞いちゃった
女の子「お母さん…私に逃げてって言って向こうに行っちゃった…」
向こう と言いつつ女の子は指を指した
「そっか…」
女の子「でも、でもね!お母さんね!必ず迎えに来てくれるって言ってた!あのね!お母さんってね!ものすごく強いんだよ!」
「そうなの?」
女の子「お母さんよくね!こわーい怪物さんをね!かっこいい雷さん使ってね!追い払っちゃうの!」
「なにそれすごい!かっこいい!」
俺もそんな雷とか出してみたいなぁ…
見たこともないから想像つかないけど
絶対にかっこいいじゃん!
女の子「だからね!絶対に大丈夫なの!」
「そっか!じゃあお母さんが来るまで一緒にいようか」
女の子「うん!」
「何か話そうか」
女の子「うん!ねぇねぇ!お兄さんのお父さんとお母さんってどんな人?」
「お母さんはね〜どんなことしても褒めてくれた人だったんだぁ」
「そして父さんはねぇよくサンドイッチを作ってくれたんだァそしてねぇ…ってあ、ごめんね?僕ばっかり話して」
俺の悪い癖だ…
女の子「うぅん!お兄さんってお母さんとお父さんのこと大好きなんだね!」
「うん!」
女の子「じゃあそのお花も………」
「ん?どうしたの?」
女の子は何かを言いかけて止まった
「おーいどうしたの?」
反応がないなぁ…どうしたんだろう…
女の子「あ、う…」
女の子は俺の服を引っ張って別のところに行こうとする
「どうしたの?そんなに引っ張ったら服破けちゃうよ」
女の子「う、後ろ!」
「後ろ?」
そう言われ俺は後ろをむく
え…?
後ろをむくとそこには
大きな化け物が刃物のようなものを持った手を振りあげていた
「え…?」
動けない
動こうと思っても足だけが動かない
その間にも女の子は俺を連れていこうと頑張っているのはわかる
あぁ情けないな
ここで死にたくないんだけどなぁ
最後に光と喧嘩ちゃったし
謝りたかったなぁ
そんなことを考えているとすぐ近くに化け物の手が迫ってきているのがわかった
あぁ、もう終わりなんだ
覚悟を決め、俺は目をつぶる
その時刃物が肉を斬る音が聞こえた
でも、おかしい
痛みが感じない
不思議に思い目を開けると
そこに化け物はおらず
代わりに人が俺らを庇う形で経っていた
「チッ結局俺が助けることになんのかよ、面倒事増やしやがってサングラスが」
コメント
2件
語彙が無さすぎて布団叩きのめした。惚れる 女の子よ………