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『ねぇぷりちゃん!』
そう言って、いつも元気に俺の名前を呼ぶ君。
そんな元気で優しい君が、俺は好きだった。
と言っても、別にゲイではないので、恋愛的に好きという訳ではなかった。
俺と君は、幼馴染。
初めての出会いは、小学校だった。
入学式が終わってから、少し、休憩時間があった。他のみんなは同じ幼稚園だったり、保育園だったりの子達と話してた。
でも、一人だけ、不満そうな顔をして、みんなのことを眺めていた。
俺は、ここら辺の幼稚園出身で、知ってる人も多かった。
でも、特別仲の良い親友、と呼べる人も居なかったので、何故か目を引かれた君に声を掛けた。
『お前、一人?』
俺が声をかけると、その子は驚いたような、めんどくさそうな顔をしていた。
あ、やらかした。そう思った。
幼いながらに背筋が凍ったのをよく覚えている。
だが、まだ幼く、そんな感情の名前を知らない俺は、ずっとその場に立っていた。
そして、1分程立って、気まずい空気が流れていた時。
『別に、関係ない』
幼かったため、「別に」という興味を示さず、
「関係ない」という明確な拒絶の言葉を飲み込まず、
ただ返事を返してくれた事が嬉しかった。
内心、凄くハッピーな気持ちでいっぱいだった。
その事で浮かれていた俺は、さっきの返事を忘れていた。
『じゃあ今日から友達な!』
自分でも話が飛んだと思う。
「別に、関係ない」のあとの言葉が「じゃあ今日から友達な!」絶対に可笑しい。
でも、俺はそんなことを考える暇もなかった。
こいつとどうやって仲良くなるか、ばっかり考えていた。
そんな時、君は、呆れたような、勘違いかもしれないが、少し嬉しそうな顔をして言った。
『ばかみたい』
幼いこともあり、まだ言葉の奥の意味を知らなかった俺は、「ばか」という言葉を素直に受け止めて言った。
『俺はばかじゃねぇ!』
そんな些細なことから始まった幼馴染の関係。
この時は、ただただ一緒に居ることが楽しくて一緒に居た。
『てか、お前名前は?』
『俺?ちぐさ』
『ならちぐだな!』
『ふーん』
『君はぷりっつでしょ』
『なんで分かるん?』
『名札』
『…あ』
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