テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
6月16日
「なぁショッピぃ〜?」
初夏。日差しが強いくせに、俺の腕は白かった。
放課後教室。
目の前にはクラスメイト1人。
窓もドアも閉まっていて、カーテンは外から見えないように閉めている。
電気はつけていないため、室内は薄暗い。
梅雨特有の湿気のせいで、俺の頬に汗が流れる。……いや、これは冷や汗だろうか。
彼は俺を思いっきり蹴ると、足で地面に押し付けるようにする。
「…ッい“…」
「なんでお前みたいな奴が生きてんだろーな?」
足は離さずに、その場にしゃがむ彼は、冷えた声と目で話す。
「俺さ、毎日願ってんだよ。朝学校に来たらお前が死んでねーかなーって。できればでっかいトラックに轢かれてさぁ。なのにお前はのうのうと教室に入ってきて」
いつもこの時間に呼び止められ、暴力と暴言。
いつものこと。慣れている。
震える手を抑えようとする。
慣れているはずなのに。その恐怖感で冷や汗が止まらない。
「……舐めてんの?」
「ちがッ……ちがい、ます……そんなこと、ない…」
「ははっ。そうか」
彼は喉から掠れたような笑いを漏らすと、
俺の髪を強く引っ張った。
「そんなことより言うことがあるだろうがよ。謝罪は?」
「ぁ…ごめんない…っ…」
こんな時でさえ、親になんて誤魔化そうかと考えていた。
・・・
帰り道。
俺の制服には払いきれなかったクラスメイトの靴の汚れ。
顔は先生にバレるから殴らない。
「ふぅ…」
死にたい。
「服汚れてるで」
穏やかな声が、カラスの鳴き声と重なった。
思わず足を止める。
振り返ると、同じ制服の人が立っていた。
黒髪に青い瞳。メガネをかけている。
見覚えのない顔。先輩だろうか。
「え…っと…あの…」
「制服。汚れてたから気になって」
そう言って柔らかく微笑む。
その瞬間、胸の奥で何かが弾けた。
気づけば、涙が溢れていた。
先生に相談した時すら何もしてくれなくて。もう諦めていたのに。
なんだか、何でも頼れる気がして。
「ッッ…あの…!俺いじめ…られてるんです…ッ」
声が震える。
「………」
「毎日なぐられてッ…ぅ…あ…親にも言えなくて…」
彼は俺のことを静かに見つめたあと、一言もかけないまま、歩き始めた。
視界が涙で滲んで見えない。
そのまま、俺より背の高い彼は俺の腕を引っ張った。
「…!」
「一緒に帰らへん?」
それがどうしようもなく嬉しかった。
彼の背中が眩しくて。
俺は涙を拭うこともできないまま、静かに頷いた。
次回もよろしくお願いします
コメント
3件
AIにコメントされると何とも言えない気持ちになるわこれ
良いね〜!
あめ。さんの新作、読んだよ〜!!😭💦 いじめの描写がリアルすぎて胸がぎゅーってなった… 「死にたい」って呟くシーン、もう本当に辛くて読んでてこっちまで泣きそうになったよ。 でもそこで現れた青い瞳の先輩!!やばくない!?優しく微笑んだ瞬間、主人公の中で何かが弾けた感じがすごく伝わってきた😢💕 「一緒に帰らへん?」の一言にどれだけ救われたか… 1話から続きが気になりすぎる!!次も絶対読むね🌸
ちゅーりっぷ🌷
104
8/|/aB(旧アイビー)
1,612