コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
今日はなんとIH予選!私は期待に胸をふくらませながら気合を入れて家を出る。
「『おはようございます!』」
学校に着いたら、いつも通り武田先生に挨拶をしてバスに乗り込む。
(もうバスも慣れたもんよ〜!)
(わあぁ!着いちゃった!仙台体育館!)
(人いっぱい!すごい!)
私はワクワクしながら選手の後ろ、清水先輩の隣について行く。
入口に近づくと、周りからコソコソ話が聞こえ始めた。
「なぁ、あの子達めっちゃ可愛くね!」
「うお!まじじゃん!烏野のマネージャーか」
「声掛けちゃう〜?」
可愛いとか綺麗とか、そういう言葉。
途切れ途切れでよく聞こえないけど、恐らく清水先輩に言っているのだろう。
(は!清水先輩がモテている!!)
(お、お守りしなければ!)
私は使命を感じ、清水先輩を見ている人を軽く睨んだ。
「え!俺見られたんだけど!」
「は!俺だろ!」
(…?)
何かズレているのを感じ、私は首を傾げていた。が、影山さんの背中に飛び込んでしまい、現実に戻される。
『す、すみません!』
(なんだ?急に立ち止まって…)
私が顔を覗かせると、烏野の先には伊達工の人達が立っていた。
(え、なんか指さしてる…?)
『ど、どういう、』
口を開こうとした瞬間、誰かに腕を引っ張られた。清水先輩も腕を取られていたが、至って冷静に振り払っていて、自身を不甲斐なく感じた。
清水先輩も私が連れられることに気づいたようだがもう遅い。私は列から出されそのまま体育館の裏へ連れていかれた。
(この人達、さっきの…)
私はさっき清水先輩を見ていた人に囲まれていた。
(こ、殺される…?!)
固まっていると目の前にいる人が口を開く。
「なあー、君かわいいねー!俺たちと仲良くしなーい?」
『え、いや、』
『離してください。』
「はあ?」
「おま…」「ちょっと〜??」
聞いたことのある声が、目の前の人の声をさえぎった。私は声のする方を見ると、そこには及川さんが立っていた。
「女の子にそういうことするとか〜、ダサくな〜い?笑」
及川さんが追い打ちをかけると、目の前の人達は不満そうに逃げて行ってしまった。
すぐに及川さんがこちらに寄ってくる。
「大丈夫?ゆりちゃん。」
『あ、、はい、』
『あり、ありがとうございました!』
私は涙を拭き、すぐ立ち上がる。
「いいよ〜!怖かったよね。」
優しい及川さんに、私は嬉しくなった。
『及川さん、優しいし、かっこいいですね。』
「で、でしよ〜。」💦
言われ慣れているはずなのに、及川さんは何故かうろたえていた。
「……ゆりちゃんさぁ〜、自分の容姿に責任を持ちなさいよ…」
『?』
「まあいいや。ゆりちゃん、早く戻った方がいいんじゃな〜い?」
『あ!は、はい!』
『ま、また!』
私はお辞儀をしながら烏野のみんなのもとへ走っていった。
<続く>