コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「僕には…一人、姉がいました。」
「姉は僕といつも遊んでくれていました。」
「…でも、僕ば出来損ない゙だから。」
「姉は…゙お姉様゙は僕とは遊ぶな…って。」
「それでも、お姉様はずっと遊んでくれました。」
「ある日…僕とお姉様はお母様に妖しい実験室に連れてこられました。」
「そして…不完全であるAIにされました。」
「でも…そうなるには不完全な体では無いといけない。」
「お姉様は完璧だった。非の打ち所がなかった。」
「僕は出来損ないだった。いらない子だった。」
「そう…お姉様は耐えきれなかった。もう、お姉様が息をすることは無かった。」
「僕は不完全だったせいで。いや。おかげで。」
「生きた。耐えた。僕は完璧な不完全体だったから。」
「不完全であるAIをその実験室にいた博士は求めていました。」
「「不完全体ほど強い」とか訳の分からないことを言っていた。」
「不完全であるAIは半分が人間…半分がAI…そういうものなんです。」
「僕は…お母様に捨てられた。」
「僕の家は完璧な子を追い求めていました。」
「だから…あそこに連れていかれたんだと思います。僕とお姉様は。」
イマイチ、リタの言っていることが分からなかった。
どうして不完全であるAIを作るための場所に、二人が連れていかれたのか。
あたしが聞く前にリタは言った。
「あの博士は偽っていた。ここは完璧なAIを作るための場所だって。」
─────そうだ。何故、偽っている可能性を考えれなかったのか。
あたしは偽りなのに。
「…僕はお姉様を亡きものにした博士を。お母様を許せなかった。」
「だから…僕が亡き者にしてあげた。」
「でも、博士には逃げられました。」
「だから。僕はあいつを追っています。」
長かった物語にリタは終止符を打った。
でもあたしは気になることがあった。
もう少し、物語は続く。
「…もし、そのお姉様に会える…って言われたらどうする?」
ただ気になっただけに見える質問。
意図はある。
「もちろん、会いに行きます。どんな場所でも。」
「…そう。この世界には死神がいるわよね?」
誰でも知っているようなことを聞いた。
「そうですね〜。」
気が緩んでいる声だった。
まぁいいけど。
「その死神は死者を蘇らせることが出来る。」
そう言ったら、すぐさまリタは言った。
「本当ですか!?じゃあ、行きましょう!」
今から行く気満々のリタ。
まだ説明が終わってないのに。
「…あ。でも、どうやって行くんですか?」
それを今説明しようとしてたんだけど。
「そのことは心配ないわ。あいつは…まぁ、友達みたいなもんだし。」
「そうなんですか。凄いですね!」
リタが目をきらきらさせて言ってきた。
「そうかしら。あなたもそうなると思うわよ。」
「まぁ、そんなことはいいのよ。さっさと準備をしてあそこに行きましょう。」
軽い準備をしてあたし達は…
地獄に行った。