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夜。帰宅してから、るかは特に何も言わず、自分の部屋にこもった。
俺はリビングで、ぼーっとテレビを流し見してた。
内容なんて、全然頭に入ってこなかった。
(……あの女、うるさいって言ってたけど)
(別に、そんな悪い奴じゃなさそうだったけどな)
そんなことを、どうでもよく考えてた。
でもたぶん、
るかにとっては、そうじゃなかったんだろう。
⸻
しばらくして。
るかが、着替えたらしいゆるいパーカー姿で、ふらっとリビングに出てきた。
無言で、ソファにごろんと倒れ込む。
そして、
スマホをいじりながら、ぼそっと言った。
「……明日、学校?」
「いや、休み」
「……ふーん」
それだけ。
また、静かな時間が流れた。
⸻
(何だろうな、これ)
何も言わないし、
何も起こらない。
でも、
たぶんるかは、
ただ“ここ”にいたかっただけだ。
理由なんて、たぶんない。
俺も、
それ以上、何も言わなかった。
ソファに沈むるかの横で、
何となくスマホゲームを再開した。
静かな夜だった。