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しとしと。
雨音が耳を撫でる。
ぽつぽつ。
傘を叩く。
薄暗い。
お天道様は少しフキゲン。
けたたましく救急車のサイレン。
手には花束。
「6月にしてはあり得ない程の晴天だったな。」
梅雨の晴れ間。
「まさか水たまりでスリップとはね。」
虹が架かる。
「轢かれそうになったガキ庇うとかヒーローすぎ。」
傘を閉じる。
「でも、そのヒーローがこの有様じゃあガキも可哀想だぜ。」
水切りをする。
「お前が起きないからって一人で千羽鶴折ってるんだぞ。」
水飛沫。
「早く、早く起きろよ、起きて、寝坊助。」