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「おっさんの様子を見て来い」
父に強い口調でそう言われた。
彼のいうことは絶対なので従うことにする。
そうしないと殴られてしまうから。
父と母とは仲が悪かった。
僕にはもう一人の優秀な姉がいて、彼女と比べられてしまうからだ。
姉は頭が良く、両親に媚びへつらっていた。
そのため二人に可愛がられたけど、僕は頭が悪くて両親に反発ばかりしてきた。
だから反発されると殴られ蹴られる。
体は青あざだらけで、死んでしまうんじゃないかという恐怖を感じたから従うことにしたのだ。
すると父と母は罵声は浴びせてくるが、暴力を振るうことも無くなった。
それはとてもいいことだと思いたい。
「おじさん……」
部屋に入るも真っ暗で何も見えなかった。
奥へ進むと何かに引っ掛かり、手にベタリと何かが張り付いた。
床に転がってしまう。
何に躓いたか確かめると、そこには腹から脈打つ腸が剥き出しの男が白目を剥いて倒れていた。
死んでいる。
「ひっ……」
驚いたが、すでに遅かった。
服は真っ赤に染まり、手にはいつの間にかナイフを握っていた。
そこへ警察がやったきて、確保されてしまう。
免罪だ。
僕は殺していないが、父親にまんまと嵌められ逮捕されてしまったんだ。
許さない。