〈 ひめのコンテスト 〉
恋 愛 部 門 .
一 次 創 作 / 読 み 切 り
𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡.
『 …… 卒 業 お め で と 。』
暖 か い 日 差 し と 緩 や か な 風 。
淡 い 桜 が 舞 う こ の 日 。
君 は 卒 業 す る 。
「 …… 笑 、 」
「 あ り が と う ご ざ い ま す 笑 」
何 時 も 通 り の 柔 ら か い 笑 顔 。
『 …… 。』
言 葉 が 詰 ま っ て 、 後 が 続 か な い 。
「 も ~ 、 先 生 ~ 笑 」
『 …… 煩 い 。』
「 ん ふ ふ っ 、 笑」
君 は 何 時 も 笑 う 。
楽 し そ う に 。
嬉 し そ う に 。
幸 せ そ う に 。
今 日 だ っ て 君 は 笑 う 。
「 先 ~ 生 っ ! 笑 」
『 …… な ん だ よ 。』
「 ま た 、 逢 え る か な ~ 笑 」
ま た …… 。
『 …… 逢 え る 。』
『 俺 が 必 ず 逢 い に 行 く 。』
「 …… 」
真 面 目 に 言 っ た つ も り が 、
君 は 驚 い た 目 で 俺 を 見 つ め る 。
「 …… ん は は っ 、 笑 」
「 先 生 イ ケ メ ~ ン 笑 」
冗 談 と 本 心 の 混 ざ り あ っ た
君 の ノ リ 。
俺 に は そ れ が 心 地 良 か っ た 。
「 … じ ゃ あ さ 」
「 逢 い に 来 て よ 、 先 生 」
「 私 が 何 処 に 居 て も っ ! ! 笑」
「 私 を 見 つ け て よ 笑 」
桜 の 様 に 淡 い 君 の 笑 顔 も 、
も う 見 れ な く な る 。
『 …… あ ぁ 、 』
『 必 ず 見 つ け て 逢 い に 行 く 。』
「 …… 笑 」
「 約 束 ね 、 先 生 。笑 」
君 の 後 ろ に 咲 く 窓 越 し の 桜 は
丁 度 満 開 で 、
君 の 卒 業 を 祝 う 様 な 、
今 の 君 を 現 す 様 な そ れ は
君 の 柔 ら か い 笑 顔 を 色 を 付 け る 。
「 あ 、 そ ー だ 先 生 ! ! 」
『 ん ? 』
「 写 真 撮 ろ ー よ 笑 」
『 …… 』
「 お 願 い っ ! ! 」
「 一 生 の お 願 い っ ! ! 」
『 …… は ぁ “ 。』
『 1 枚 だ け な 。 』
「 あ り が と っ ! ! 笑 」
「 撮 る よ ~ 」
嫌 い な 写 真 も 君 と な ら 良 い 。
「 は い チ ー ズ 」
君 と の 空 間 を フ ィ ル ム に
残 し て 置 け る か ら 。
「 …… ん ふ ふ 笑 」
『 満 足 か ? 』
「 大 満 足 ~ ! ! 笑 」
『 そ り ゃ 良 か っ た よ 。』
「 ん ふ 、 笑 」
「 今 日 が 私 の 人 生 で 1 番 幸 せ な 日 。」
『 …… 』
君 の 晴 れ 舞 台 が 晴 れ の 日 で 、
桜 が 満 開 で 良 か っ た 、
君 が 今 ま で で 1 番 幸 せ で 良 か っ た 、
と 思 う と 同 時 に 、
俺 の 心 に は 後 悔 が 残 る 。
「 …… そ ろ そ ろ 時 間 だ ね 。笑 」
『 … あ ぁ 。そ う だ な 。 』
も う す ぐ 、 君 と の 別 れ の 時 間 だ 。
「 先 生 、 笑 」
『 … な ん だ ? 』
「 今 ま で お 世 話 に な り ま し た 笑 」
「 沢 山 迷 惑 か け て ご め ん ね 」
『 …… 先 生 に 迷 惑 を か け る の が
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎君 の 仕 事 。』
『 君 の 面 倒 を 見 る の が
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎俺 の 仕 事 だ 。』
「 …… ん ふ っ 笑 」
「 ん は は っ 笑 」
静 か な 部 屋 に 、
君 の 笑 い 声 が 響 く 。
「 は ~ 、 笑 」
「 笑 っ た 笑 っ た 。」
目 か ら 零 れ そ う な 程 に
出 て き た 涙 を 拭 い な が ら
君 は そ う 言 う 。
「 先 生 。」
こ れ が 、 最 後 。
解 っ て る 。
「 …… ま た ね 、 笑 」
『 ………… 』
今 だ け 。
今 だ け で 良 い 。
『 … あ ぁ 。 ま た な 。』
今 だ け は 大 人 に な れ 。
「 …… 笑 」
「 大 好 き 、 笑 」
『 …… あ ぁ 。』
『 俺 も だ よ 。』
こ れ が 君 と の 、
今 世 の 最 後 の 別 れ 。
” 「 先 生 。」
『 ………… 』
桜 が 満 開 の 晴 れ の 日 に 、
『 3 月 1 2 日 午 後 1 6 時 0 0 分 。 』
今 ま で 苦 し ん で 来 た 君 は 、
桜 の 様 に 緩 や か に 、
『 藍 沢 衿 さ ん の 死 亡 を
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎確 認 し ま し た 。』
卒 業 し た 。
𝐹𝑖𝑛.
コメント
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逢ってとか最高すぎません? 愛しますよ?
逢って漢字使ってるからなんか、わかってたけど、 黒猫さんの素晴らしい語彙力で泣きました