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テラーノベル(Teller Novel)
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並木有沙は、隣町から研究所がある街の高校まで通っていた。


有沙「私の住んでるとこ、凄い田舎ですから。学校は小中学校が一緒になってる所だけなんです。そこの中学を卒業したら、家の手伝いをして暮らすか他の街まで行って高校に通うかの2択を選ばなきゃならなくて」


有沙は高校に行くことを両親に反対されていたが、2人を説得して隣町の高校に入学できたのだと言う。


有沙の両親に聞き込みをする担当として、将斗と2年の香山由依(かやまゆい)が選ばれた。


しばらく歩き、2人はある家の前で足を止めた。


由依「ここね。「並木」って書いてある」


将斗はその家に近づき、インターホンを押した。


「・・・はい。少しお待ちください」


腰にエプロンを巻いた女性が、扉を開けた。


2人は彼女に一礼すると、名刺を見せた。


将斗「俺たち、こういう者です」


女性はそれを見てああ、と納得したような表情をし、2人を家に招き入れた。


☆・★・☆・★


由依「この街で、吸血鬼によるものと思われる殺人事件が起きたということを聞きまして、調査しているのです。何かご存知のことはありませんか」


並木はしばらく考えていたが、話し始めた。




半年前に、隣町で囁かれる「吸血鬼」のことを聞いた。


単なる噂かと思っていたが、その1ヶ月後に、真夜中に人が失血死する事件が起きた。


人々は普通の殺人事件だと話を片付けた。


しかし、その事件の1週間後の真夜中、また人が失血死する事件が起きたのだ。


普通の人間による犯行かと思われたが、不思議なことがあった。

遺体には首に噛み付かれた後のような傷が1つだけあったのだが、それだけで大量に血液がなくなるはずがないのだ。


並木「始めの事件では噛み付かれた後は4つほどあって、それなら失血してもおかしくない状態だったそうなの。でも、2回目の遺体は1つだけだったから・・・それである人が、吸血鬼の仕業では、と言って、街の人は吸血鬼を信じざるを得なくなった」


そう言って少し間を置き、

並木「私が知ってるのはこれぐらいかしら」


将斗と由依はメモを書く手を止めた。


将斗「・・・そう、ですか」


由依「わかりました・・・ありがとうございます」


☆・★・☆・★


恵理香「事件が起きるのは真夜中だけみたいね」


研究所に帰った後、2人はまず同級生に話をした。


晃輝「当たり前だろ、吸血鬼は日光が弱点なんだし」


笹原恵理香(ささはらえりか)と村里晃輝(むらさとこうき)である。


将斗「どうしても帰りが夜中とかになる人とかいるんだよな。吸血鬼はそういう人を狙ってるんだ」


由依「ていうか・・・」


3人がスマートフォンを見ている由依に目を向ける。

由依「よく考えると、吸血鬼って弱点結構多いよねー」


恵理香「まあね・・・でも簡単には倒せないはずよ。被害者の中には抵抗した人もいたみたいだけど、吸血鬼は力がとても強いもの。吸血鬼に会って生きてる人の前例なんてない」


晃輝「だから俺たちみたいな運動神経良い奴が選ばれたんだろ。吸血鬼に会っても瞬殺されないように」

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