コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
宇宙空間の広大な空間に静寂が漂う中、人工星が消失した場所から、奇妙な振動が発生し始めた。破壊されたコアの中心から発生したエネルギー波が、未曾有の反応を引き起こしていたのだ。
橘「これ、何かがおかしい……」
加藤「感じるか?この振動……」
橘と加藤が急いで周囲を見回すと、空間の中に何かが現れた。最初は微細な異常にすぎなかったが、それが次第に巨大な影となって姿を現す。宇宙の闇の中から浮かび上がったその存在は、まさに人類の理解を超越した存在だった。
それは、巨大な有機体のような構造を持つ生物で、無数の触手が宇宙空間を揺らしていた。体は透明であり、星屑のように煌めく光を放っており、まるで星そのものが生物となったかのような形態をしていた。
ウィリアム「これが……プロキシマ・ケンタウリb星人?」
その言葉に続くように、異星人の巨大な影がゆっくりと近づいてきた。その存在は、ただの生命体に見えるだけではなかった。それは、この宇宙の存在そのものを操る力を持つかのような圧倒的な存在感を放っていた。
その異星人は、無言で近づいてくる。触手が一つ一つ、無機的なエネルギー波を放ちながら動き、加藤と橘はその力を感じて息を呑む。
橘「まさか、こんな存在が……」
その時、異星人の中央に位置する輝く光が、明確に言葉を発し始めた。光の中から、音のような振動が伝わってきた。それは言語ではなく、精神に訴えかけるような感覚だった。
異星人の声『貴様らが壊したものは、我々に不可欠なものだった。それは、命そのものを宿している。だが、今、我々は新たな形でこの星系に定着する。』
その声が響いた瞬間、加藤は背筋を凍らせた。確かに、この存在が人工星を支える「心臓」だったのだと感じ取った。そして、この星人たちが生きるためにその存在を必要としていたことも、直感的に理解した。
加藤「つまり、あれはただのクリスタルじゃなくて、こいつらの生命線だったのか。」
ウィリアム「そうだ。だが、破壊してしまったのは我々だ。どんなに強力でも、この責任から逃れることはできない。」
異星人の姿はさらに鮮明に現れ、光の粒子が周囲に広がり始めた。これまでに見たことのない規模で、次元をゆがめ、時間が止まるような感覚に包まれる。
異星人の声『人間よ。お前たちは予想以上に力を持っている。だが、貴様らはまだ我々を理解していない。もはや、この星系で生き残る術はない。』
その言葉が終わると、異星人の触手が一斉に動き出し、空間を裂くように迫ってくる。触手の先端には、無数の微細なエネルギー粒子が集まり、見る者の肉体すらも分解しそうな威圧感を放っていた。
瞬間、加藤とウィリアムはそれぞれ武器を手に取り、準備を整えた。彼らの心には恐怖が広がるが、同時に挑戦する決意が沸き上がる。
加藤「こいつらを倒せるかは分からねえ。でも、負けるわけにはいかねえ!」
ウィリアム「人類が挑むべき相手ではないかもしれない。だが、今は我々の戦いだ。」
一気に触手が迫る中、加藤はその一撃をかわし、ウィリアムは特殊なエネルギー波を放つ兵器を使って反撃に出た。橘も戦闘準備を整え、次々と飛び交うエネルギー波に立ち向かう。
しかし、その戦いは次元を越え、力では到底及ばないものだった。異星人の力は時間をも操るような恐ろしい力を持ち、戦闘は不安定な空間の中で進行していく。
最後には、異星人の輝く光が宇宙空間を染め上げ、全てを包み込んだ。その瞬間、加藤とウィリアム、橘は理解した。この戦いは単なる戦争ではなく、宇宙そのものの命運を決めるものだと。
そして、彼らは心の中で決意した。この戦いを通じて、少なくとも人類の未来を守るために全てを賭ける覚悟を持って。