テラーノベル
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「うあぁ゛あ゛あ!?!?」
暑い、否、熱い。
カーテンのように空高くまで燃え上がっている炎は全てを焼き尽くすかの様で、勢いを増していた。
誰かの悲鳴が聞こえてきた。男性の声だろう。微かに人の影が見える。
「アオセ」
名前を呼ぼうとすればまた炎の勢いが増す。
炎の向こうに居る筈の人を、先輩を助けないといけないのに。
床には、彼の青鬼の仮面がごろんと転がっていた。
「犯人は捕まった」
署長の声で意識が浮上した。そうだった、今は会議中だった。
猫の仮面の者やペンギンの被り物をしていた者は俯いて感情がなかった。二人だけではなく、皆感情がなかった。
次第に泣いている者も現れてきた。
青井らだおが、意識不明の重体。
火事が起こったのだ。放火魔は逮捕され、白市民達は大変安心したに違いない。
真実を知っている警察官達は、安心なんかしてられないのだが。
「…らだおは、まだ意識不明だ。後遺症も残るだろう」
署長が続ける。
そりゃあそうだ、あの炎に包まれていたのだから。長い間煙と炎から白市民の子供を守り抜き、結果は青井本人が意識不明。守られていた子供は命に別状がなかった。
ダン、と机を叩いた音が聞こえる。
いつもはかっこよさげに、そして希望の光の様に黄金の風を吹かしている伊藤ぺいんだった。
皆涙を浮かべている。
浮かべていなかったのは、特殊刑事課の壺浦匠だけ。
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「今日はユニオンで大活躍したぞ、ギャングを三人も倒したんだ。
……また、お見舞い来るからな!らだお!」
同期のオルカ・トヴォロが病室から出てくると、廊下の長椅子に座っていた壺浦匠に気がつく。
オルカは壺浦に小さく手を振って走り去っていった。涙を流しながら。 病室に入ると沢山の見舞い品があった。
これはオルカの、これは署長で、これは猫くんとカニくん、これはギャング達の。手紙を書いている人も少なくなかった。
「アオセン」
声をかけても反応はない。穏やかな顔で寝ている。 彼だと一瞬で分かる青鬼の仮面がないと表情がよく見える。
「特殊刑事課対応課なら、起きないと大惨事になりますよ。
キャップだってこの前ロケランぶっ放してました、駄目だって言ったのにですよ」
「…アオセン」
起きてください、なんて言えなかった。
いつも働きっぱなしで、いつもIGLをしていて、いつも警察の為に、ロスサントスの為に働いているこの男には。
「また来ますから、次会うときには夢から覚めておいてください」
静かに病室のドアを開けて廊下に出た。
この顔を見たら、壺浦だと気づかない人も出るだろう。
__俺は特殊刑事課No.1の壺浦匠だ、早く市民を安全を守る為に犯罪者を捕まえなければ。
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「お前が、お前がやったんだろ」
「なんでラダオを殺そうとした」
牢屋に行くと、成瀬力二と猫マンゴーが放火魔を問い詰めていた。
この放火魔は、別の街から来た犯罪者だった。ロスサントス外の武器で燃やされたからアオセンも重症で、目を覚まさない。
マンゴーは拳銃を握りしめ、牢屋越しに放火魔に向けた。カタカタと少し手が震えているのがわかった。
「オマエが!!ラダオをやったんだ!!」
泣き叫ぶ。悲痛な叫び。
マンゴーの叫びで署員達が集まってきた。署長やキャップ、まるん、それ以外のほとんどの署員が。
皆、青井らだおが意識不明で焦っていた。この放火魔をどうするべきか、どう処分するかを。
成瀬が牢屋に入り放火魔の胸ぐらをつかむ。ペンギンの被り物がなくてもわかる程に、怒っていた。
「お前を殺さないと、俺がお前を殺さないといけない。
俺が殺さなくて、誰が殺す!!」
頭を殴ろうとした腕を掴んだのは壺浦だった。成瀬は「は?」と小さく呟き壺浦を睨む。
「カニくん、やめた方がいいぜ」
「壺浦さん、コイツがやったんですよ!!悔しくないんですか!!」
「悔しいぜ」
署員全員が黙り込んだ。
壺浦が続ける。
「でもコイツを殺したらアオセンが目を覚ますわけでもねぇだろ」
「でも殺さないとらだおのためにはなりません」
「あの人が本当に殺すことを望んでると思ってんのか」
「やられたらやり返す、殺せば解決ってことにはならねぇ。殺せばいいって思ってんなら、アオセンがそう思ってると思うなら、カニくんはあの人の正義を汚していることになる」
マンゴーは拳銃を下ろし、成瀬は牢屋を出た。他の署員達は俯いて言葉を発さない。
「署長、コイツのこと頼みます」
放火魔を指差し、牢屋を出る。そのまま走り去っていった。
本署の外に出て、無我夢中で走り続ける。喉が渇いた、足が痛い、息が切れる。
悔しいのはわかってる、だけどアオセンは__
アオセンは、どうしたいんだ?
一旦警察からOFF DUTYし、珍しく入っていた無線をも抜けた。 いつもなら美味しいハンバーガーも、何故か味がしなかった。
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wt
#ストグラ夢小説