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あの3人の叫び声が聞こえる…。
甲高い叫び声、耳に残るような五月蝿い声。何度も繰り返し叫ぶ声。あぁ。耳に残る。
俺の手には血だらけの斧のような物が握られていた。あの3人が目の前にいた。怖がっているように見えた。血だらけだった。
俺がやったのか…?そ、そんな訳…お、俺はずっとあの世にいたはずだ…俺がやったわけない…俺はずっと立ち止まって3人のことを見ていた。息が荒くなる…。3人は俺が立ち止まっていることをいいことに、逃げるように去っていく。琵琶の音が鳴りやむと、俺はまたあそこに戻っていた。五十嵐さんの姿が見える。
五十嵐
「だ、大丈夫でしたか?琵琶の音がなった瞬間、貴方様の姿が見えず、探していたらここにいたのですが…」
トラゾー
「い、五十嵐さ、ぉ、おれ」
過呼吸になって喋れなくなる俺に、五十嵐さんは優しく声をかけてくれた。
五十嵐
「ゆっくり息を吸ってください。大丈夫です、時間はまだ有り余ってるのですから。」
トラゾー
「…五十嵐さん..さ、3人のことを殺してたの…」
トラゾー
「お、俺だったのかも..しれない…です…」
五十嵐
「…そう、でしたか…。」
トラゾー
「…ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい…」
謝ることしか出来ない俺に、五十嵐さんは頭を撫でてくれた。
五十嵐
「大丈夫、大丈夫ですよ.,.。神様は気まぐれなんです。貴方が鬼になろうと、人を殺そうと、全て神様が仕向けた事なんです。貴方は悪くないですよ。トラゾーさん。」
トラゾー
「い、五十嵐さん…」