コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ある裏路地で一人の男が倒れている
そんなことはお構いなしに雨は降り続け男の体を濡らし続ける
「嗚呼、何故だ?」
男は1人愚痴る
たがそんな愚痴を聞く者は誰もいない
男は再度孤独であることを知らされる
「クソッタレ…何が起こりやがった?」
そもそもこの男、元々は中小企業の警備員をしてきたがなぜこのような場所で倒れているのか?
それは少し前に遡る
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある日の蒸し暑いお昼頃
彼はいつも通りある知り合いと昼食を食べるため自らの鞄を漁る
「おーい昼休憩行こうぜ〜」
どうやら自分から言いに行く必要は無くなったようだ
「へいへ〜い、分かった分かった」
すると彼は辺りを見回してふと気になったことを聞いてみる
「あれ?あいつは?」
あいつとはいつも一緒に昼食を食べる仲間である
いつもならば一緒に来ているはずなのに今日はいなかったため彼は不思議に思い聞いてみた
「あーアイツは腹を下してトイレにいるぞ」
「なんだ〜?道端の草でも食って腹壊したか?」
「ははっありえるな」
そのまま彼らは食堂へと向かう
それが彼らの命運を分けることになるとは彼らはまだ知らなかった
\\ワイワイ// \\ガヤガヤ//
「やっぱ今日も人は多いな」
彼らがいる場所は大企業と言われる一歩手前程の会社であり必然的に食堂は大体この時間帯は満席だ
「ラッキー今日ここ空いてんじゃーん
彼が見つけた場所は日の当たる窓際の場所である、ここは日光が当たり暑いため不人気だ
「俺ここ好きなんだよね〜」
「暖かいから楽だよなぁ」
ぉ-ぃ
「ん?」
おーい!
「おいお前アイツ来たぞ」
「ま?」
「ま」
「よっす〜!悪い悪い腹が壊れてた」
「まあセーフセーフまだ俺ら昼食買ってないから」
「マジ!?良かったぁ〜じゃ!買いに行こうぜ」
「ああそうだな」
完全に平和な空間だ、が平和とは突如として奪われるものでもある
「よし!行くk
突如として今来た友達の頭が弾け飛ぶ
「は?」
周りにいた奴らも叫び声を出す間もなく次々と弾け飛んでいく
そのまま彼らは合わさっていく
徐々に
徐々に
徐々に
まるで
巨大な肉の風船のように
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼は無我夢中に逃げ出した
あの場にいては自らの命が危ないと思ったからだ
だが外も死屍累々いわば地獄絵面である外は怪物が蔓延る終末世界のようになった
そんな中彼は裏路地へと逃げ出したこうして最初の場面に戻るのである
、
グゥ〜
「クソッ…腹が減った…」
こんな場面でも腹は減る人間の生理現象である
「はぁ…こんな地獄でも空は青いな…」
空だけを切り取ればとてつもなく綺麗なものであろうが、下を見れば形容したくもないものだ
ガゴン
「ッ!?」
突如として普通の足音では聞こえない音が聞こえる、それに足音かどうかも怪しいそんな音がし、本能が隠れろと警報を鳴らす
そんな中音の正体が現れた
クゴォォォ
先程自分がいた路地裏から真っ黒なタールのような怪物が現れた
「何なんだ!?あいつ!?」
「とりあえず逃げるしかない!」
彼は慎重に足をタールから反対側に踏み出す
しかし運が悪かった足元にあった瓦礫を踏んでしまったのだ、瓦礫と地面の擦れる音が響く
グォ?
「あ…ヤッベ」
これによりタールと目が合ってしまう、まるでラブスイートソングが流れているように見えるがそんなことはなく、男の心臓はバックバクである
ダッ
最初に動いたのは男だった
「クソッタレ!本当に運がないぞ!」
グォォォォォ!!
それに続きタールも動き出す
止まったら死ぬそれだけが男は理解していた
「マズイマズイマズイ!」
だが転機が訪れる
目の前にはあのタールの怪物は入れないような狭い通路が現れる
「よし来た!」
彼は狭い通路に入り込んだ
いや
“誘い込まれてしまった”
「フゥーフゥー危なかった…」
彼はまだ気づかない
壁が生きているように畝っていることを
「よし…進むか」
彼がそういった瞬間
壁が彼を押しつぶす
“ゴシャァ”
「え….?」
内臓が飛び散る
壁に赤いペンキが飛び散るように血が飛び散る
骨の粉砕される音が響き渡る
彼の潰されなかった腕が落ちる
血管が露わになる
彼だったものの肉が壁にへばりつく
そこにはもう彼はいない
ただ赤く染まった壁があった
悪夢のような世界から一つの命が停止した
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
皆々様おはこんばんにちは
当作品を読んでいただきありがとうございました
今回の作品は**「人類の遺産」**に出てきたタールと道路を少し掘り下げると同時に私の暇つぶしも兼ねて書かせていただきました。
何かストーリーの提案などございましたら是非コメントよろしくお願いいたします。
それではこれからもお楽しみください