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昨日私はラズカに誘われアジアンと言う王国へ行くことになった。もちろん車なんて物はこの世界にはないし、移動するための馬車もこんな深い森には絶対来ない。でも――
何故か私はラズカと貴族が乗るような馬車に乗っていた。
「どうしてこんなことに……」
それは夕方の頃。まだ太陽が昇っていて、カーテンは美しいオレンジ色に染っていた頃だろう。
それはラズカの一言で始まった。
「起きてください!カミラさ〜ん!」
「ふにゅ、、、まだ、、、5分、、、」
「許されません!アシアンまではかなり距離があるんですから、早くしないと間に合いませんよ!」
「えぇ〜〜」
私は重い腰をあげた。なんだかんだいって私もアシアンはとても楽しみだし、ラズカは私以上に楽しみにしていたから、これ以上待たせるとどんな目にあうか分からない。
私は足早に支度を済ませた。私は服には興味がなく、いつも部屋にころがっていたボロボロの服を洗って使っていたが、でも今回は王国。しっかりしたものを着なければと思い血で形成したドレスを着た。ラズカも同じ事を考えたようで2人ともお揃いの服で行くことにした。まるで本当の貴族のようで少し楽しかった。
「なんか姉妹みたいですね。カミラさん!」
「ラズカの姉妹はなんか嫌だな、、、」
「なんでですか!?」
そんなちょっとした会話を済ませた後は、早速外に出て全力ダッシュで……と思いドアを開ける。だがドアの先にはよく分からない光景があった。
「何、、、これ、、、」
そこには金やらダイヤのような宝石やらがおかしいほどに付いている馬鹿でかい馬車があった。
「あの、、、ラズカさん?」
「どうしましたか?」
「あの〜これは一体、、、」
「これですか?馬車です!」
「いやそれは分かるんだけどね、、、」
ラズカが言うには、ラズカは昔の友達に会社を運営しているめちゃくちゃ偉い人がいるそうだ。私が寝たあとに全力ダッシュでアシアンヘ行って連絡をとってくれたらしい。
ラズカは私よりはるかに足が速い。でもこれほどとは、、、でも馬車に乗って王女様ムーブが出来るので正直めっちゃ嬉しかった。
「そういえばラズカの友達って言うことはその人も吸血鬼なのかな、、、」
そのまま丸1日がかかり、ようやく王国アシアンについた。
「はぁ〜〜。」
ここまで大きな街は初めて見た。人は絶え間なく流れ続け、建物は光り輝き、色んな人達が賑やかに、楽しそうに暮らしているのが分かった。
ここまで賑やかだと今この王国が衰退していっているなど考えられない程だった。
「カミラさんこちらです!」
街並みを眺めている私にラズカの声が耳に入った。なにか珍しいものでも……と思いラズカの方を見ていると、そこには巨大なタワーが建っていた。そのタワーはほかよりも1層大きく、この街のシンボルのようであった。
「それがどうしたの?」
「ここに馬車を貸してくれたお友達がいるんです!挨拶に行きましょう!」
……え?