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⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
下手 & 文短い も 許せる方は どうぞ
俺は、ここに来て三日目になるらしい。
点滴の交換と、検温と、薬。
それだけで一日が終わる。
窓の外は晴れていた。
嫌になるくらい、眩しくて、俺には直視出来ない空だった。
ノックの音がして、ドアが開く。
白衣の男が入ってくる。
rbr「シャオロン、調子はどうや?」
sha「昨日と同じです」
短く答える。
それ以上、話すことはない。
ロボロは一度だけ俺の顔を見て、それから点滴に視線を落とした。
無言のまま、針の位置を確認して、ほんの少しだけ、速度を調整する。
sha「……」
気づいてしまった。
sha「それ、下げましたよね」
ロボロの手が止まる。
rbr「……しんどそうやったからな」
sha「言ってないです」
rbr「顔に出てた」
……医者ってすごいな…。顔に出してるつもりはなかったのに、わかるんやな…。
俺は視線を逸らして、天井を見る。
rbr「……無理はせんでええ」
その一言が、思ったより静かに落ちてきた。
sha「……無理してるつもりはないです」
そう言った瞬間、自分でも分かるくらい声が少し掠れた。
ロボロは何も言わず、しばらく点滴の滴を見つめていた。
ロボロはカルテを閉じ、何も言わずに椅子に腰を下ろした。
医者が、患者のベッド横に座る。
それだけのことなのに、少しだけ緊張する。
rbr「……ここ、慣れたか」
sha「……まだです」
病室を見回す。
白い壁、白いカーテン、白い天井。
どこを見ても、同じ色だった。
sha「静かですね」
rbr「病棟やからな」
sha「……静かすぎて、時間が止まってるみたいです」
ロボロは少しだけ考えるようにしてから、言った。
rbr「止まってるんやなくて、ゆっくり流れてるだけやと思うで」
その言葉が、なぜか胸の奥に残った。
sha「……先生、毎日来るんですか」
rbr「担当やからな」
sha「……そうですか」
それ以上、言葉は続かなかった。
でも、さっきよりも病室は、ほんの少しだけ静かじゃなくなった気がした。
ロボロは椅子から立ち上がり、静かにカルテを脇に抱えた。
だが、ロボロはすぐに部屋を出ていかなかった。
ドアノブに手をかけたまま、一瞬だけ、言葉を探すみたいに立ち止まる。
rbr「……飯、ちゃんと食えてるか」
sha「……あんまり」
rbr「……そか」
それだけ言って、今度こそロボロは病室を出ていった。
静寂が戻る。 点滴の音が、またはっきり聞こえ始める。
――なんで、そんなこと聞くんだろう。
医者なら、数値とか、症状とか、 もっと他に聞くことがあるはずなのに。
俺は天井を見つめたまま、小さく息を吐いた。
翌日、点滴の交換と検温が終わった頃にロボロが病室に入ってきた。
今から朝食食べようと思ってたのに。
rbr「ねぇ、シャオロン。これからたくさん話しかけて良い?」
sha「なんですか、急に。」
rbr「いやー、ちょっと、先生話す相手とかあんま居なくてさ〜、シャオロン、先生の話し相手になってよ!」
よくわからなかった。でも嫌な気はしなかった。
sha「わかりました。良いですよ。」
rbr「え、ほんと?やったぁ!じゃあこれから一緒に話そう!」
sha「いや、今から俺朝食食べようと思ってるんですけど…。」
rbr「そっかそっか!じゃあちょっと時間経ったらもう1回来るから待っとけよ〜?」
sha「え、あ、はぁ…。わかりました。」
俺がそう言うと、ロボロは一度俺に笑いかけ病室を出ていった。
ロボロは、約束通り少し時間を置いてから戻ってきた。
今度はカルテを持っていない。
シャオロンのトレーの上の食器は、ほとんど手つかずだった。
rbr「残してるな」
sha「食欲、あんまりなくて」
rbr「そか。あ!でもちゃんと薬は飲めよ?」
sha「えぇ〜、あれ苦いやん。飲みたないんやけど。」
rbr「飲まなあかんで〜。ほら、飲めたらご褒美に先生が飴あげるから。」
そう言って先生はポケットから飴を出し俺に見せた。
飴がもらえるなら…と薬を飲んだが、
sha「苦ぁ…。」
rbr「よし!偉い!ほら、約束の飴やで。」
sha「ありがとう、先生」
先生から飴を受け取り、袋を開け飴を口に放り込んだ。さっきの薬と違い甘くて美味しい。
rbr「外、晴れてたで」
sha「……嫌でも、窓があるんで知ってますよ。」
少しだけ、空気が緩む。
rbr「シャオロン、晴れの日は好きか?」
sha「……前は」
rbr「前は?」
sha「外、出れたから」
ロボロはそれ以上聞かなかった。
「今はどうや」とも、聞かなかった。
rbr「じゃあ今は、嫌いでもええな」
sha「……先生って、変ですね」
rbr「よく言われる」
ロボロは小さく笑った。
その声は、病室の静けさに溶けていった。
気づけば、点滴の音が、さっきよりもうるさく感じなくなっていた。
rbr「ここ、暇やろ」
sha「……まあ」
rbr「暇な時って、余計なこと考えへん?」
sha「……考えますね」
ロボロは、少しだけ視線を落とす。
rbr「考えんでいいことまで、考えてまうやろ」
sha「……医者なのに、そういうこと言うんですね」
rbr「医者やから、や」
その言葉の意味は、まだ分からなかった。
でも、胸の奥に、静かに残った。
その後もロボロとどうでもいい話を少ししていとら、ロボロは看護師に呼ばれて、”じゃあまた”とだけ言って病室を出た。
次の日もその次の日も、そのまた次の日もロボロは来た。
そして俺とどうでもいい話をして、看護師に呼ばれたら行く。
そんな感じだった。
ロボロと話すのは嫌じゃなかったし、自分が生きていると思える時間だった。
だが、申し訳なさもあった。
今日もロボロ先生は来た。
そしてまたどうでもいい話をしていた。
――途中までは。
sha「……先生」
rbr「ん?」
sha「どうして、俺に構うんですか」
ロボロはすぐには答えなかった。
sha「忙しいはずやのに。いいですよ、俺のことなんて」
少し笑って、言葉を続ける。
sha「どうせ、治んないんですから」