※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File35:ミッドナイトに会いましょう〉
「オイ、なにするんだ!やめろ! 手を離せ!!」
「――!?」
智世のただならぬ声に、試着室のドアに手を伸ばす。
けど下着姿なことに気づいて、慌ててシャツを頭から被った。
襟に入り込んだ髪を払う余裕もなく、体重を乗せてドアを押し開けた。
「智世、なに今の!?」
だけど、そこに智世の姿はなかった。
他の客は恐々と、あるいは隣人と囁き合うように、店の出入口の方を見ていた。
すると店員がレジの中から飛び出してきて、客たちの視線の方へ腰が引けたような走り方で駆けていく。
平置きされたシャツの陳列棚の向こうで、店員は狼狽えた様子のまま腰を落とした。
まさかと思っていると、店員の女性に促されるように誰かが立ち上がる。
「――智世!」
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