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私にとってこのカードは、「正位置」の方が強く感じる。逆位置にしてしまうと、弱々しい印象になってしまうのだ。しかし、意味的にはやはり強いカードなので、扱いに注意しなければならない。
また、このカードには「正義」「公正さ」という意味もあるらしい。確かに、私自身がそのような人間になりたいと思っているし、そうありたいと願っているからかもしれない。
ちなみに、カードの絵柄は、大きな翼を持った少女が描かれている。
彼女はまるで天使のように微笑んでいるが、その笑顔とは裏腹に、背景は血に染まった地獄絵図となっている。彼女の足下に転がる骸骨達は、彼女が殺めた者達だろうか。とても穏やかな表情とは言えない。
そして彼女の背後に聳える城は、禍々しいまでに黒々としている。一体どれほどの血が流れたのか想像できないほどに、赤黒く染まっているのだ。城から立ち上る黒い煙は、天高くまで伸びているように見える。それはまるで、地獄からの使い魔のような姿にも見えた。
「……お久しぶりですね、お姉様」
そう言って、彼女は優しく微笑んだ。
「えぇ、本当にね……」
対する女性は、冷たい視線を向けるだけだった。その目からは優しさを感じられない。
「私に会いに来てくれたんですか?」
「いいえ、違うわ。貴女を殺しに来ただけよ」
「あら?どうしてですか?私が何かしましたか?」
「私の大切な人達を傷つけたでしょう?」
「ああ!あの人達のことですね!」
思い出したように言う少女だが、顔には笑みを浮かべたままだ。それが逆に恐ろしく感じられた。
「あれは私が悪いんじゃなくて、向こうが勝手にやったんですよ?私はただ、『邪魔だから殺しちゃえば?』って言っただけです。それなのに、あんな風に殺されてしまうなんて思ってませんでした。まったくもう……困ったものです」
そう言いながら頬を膨らませる仕草をするのだが、やはりその目は笑ってはいない。むしろ蔑むような目をしていた。
「貴女のそういうところが気に入らないのよね。何でも自分の思い通りになると思ってる傲慢さが許せないわ」
「……」
「どうして黙っているのよ。反論してみたら?」
「……」
「ふん、口答えできないわけね。それじゃあやっぱりあんたなんて必要ないわ。もう顔も見たくないからさっさと出て行ってちょうだい!」
「……」
「ああそういえば、明日の食事当番だけど、あんたがやってくれるのかしら。あたし嫌だから、もしやる気があるんだったら早く言って頂戴」
「……」
「ふーん、無視するんだ。へぇ、良い度胸じゃない。それでこそ叩き潰し甲斐があるというものよ! 覚悟なさい!!」
「……」
「ちょっと、何か言いたいことがあるんじゃないの!? 今更謝ったって許さないんだから! だいたいなんであんたなんかがここにいるわけ?」
「…………」
「何とか言ったらどうよ!」
「ごめんなさい」
「だからそういう態度が気に入らないの! もういいわよ、二度と話しかけてこないでね」
「……」
「ふんっ」
「……」
「さようなら」
「待ってくれ!」
「きゃあっ!」