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「これなんだけど…」
そう言いながら私はさっき見ていた新聞を見せた。
「水戸さんの名前…」
「でもどっちが本当なんでしょうか…」
「何か覚えてないんですか?」
私はうーんと唸りながら何かを思い出そうとした。
「多分…どっちも合ってると思う」
「片方じゃなくてですか?」
「うん」
「でも私の首に締め跡が無いのが気になるんだよね…」
「確かにそうですね」
「やはりお姉さんを探した方がいいのでしょうか?」
「その前にさ、さっきなんの記事読んでたの?」
「記事ですか?僕は…何も読んでませんよ?」
そう言いながら陸久はニコリと微笑むが、
どことなく恐怖心を掻き立てられる。
というか陸久の顔、誰かに似てるような気が…。
そう思いジロジロと陸久の顔を見ていると
「何ですか?何か付いてますか?」
と言われた。
「なんか誰かに似てる気がしたんだよね」
そう正直に答えると
「…….きっと気のせいですよ」
謎の間があったのが少し気になる。
というか私の家…
私の姉の場所はどこだったっけ?
早く思い出さなきゃ色々と進まない…。
都会でも田舎でも無かったような…。
「あ!!」
「○△町5丁目!」
「何がですか?」
「私の家!」
「そこにお姉さんがいるってことですか?」
「多分…」
「じゃあ早速向かいましょう」
「うん!」
「あと水戸さん、図書館では静かにしましょう」
「あ….ごめん…」
周りを見ると人の視線が痛いほど刺さる。