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コーラル(主)
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ふゅう@低浮上
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ちい。こたつがめ
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コメント
3件
ホラー来ちゃあああああ!!!!
うわぁ〜〜〜!!😳✨ 読んだ読んだ!! 朝のルーティンから始まる日常が、鏡のワンクッション遅れた笑顔で一気に不穏になる感じ、めっちゃゾクゾクした…!「瞬きが一拍だけ遅れた」とこ、鳥肌立ったよ💦 最後の「まるでその言葉を待っていたかのように」の口角UP、完全にホラー演出として最高です…次どうなるの!?続き気になりすぎる!👀✨
1.鏡の向こうの私
朝六時三十分。
目覚まし時計の電子音で、
澪はゆっくりと目を開けた。
カーテンの隙間から差し込む朝日が、
部屋を淡く照らしている。
「……眠い」
小さく呟きながらベッドを降りる。
制服に着替えて、顔を洗って、髪を整える。
いつもと変わらない朝。
何も変わらないはずだった。
洗面所の鏡の前に立つ。
少し寝癖のついた黒髪を手ぐしで整えながら、 前髪を軽く流した。
「……よし。」
そう呟いて笑う。
__その瞬間だった。
鏡の中の自分が、
ほんの少しだけ遅れて笑った。
「……え?」
思わず顔を上げる。
鏡の中には、いつもの自分が映っている。
寝癖も。
制服も。
眠そうな目も。
全部同じ。
「……気のせい、か。」
疲れてるのかな。
そう思って鏡から離れる。
だけど、胸の奥に小さな違和感だけが残った。
「澪ー! 朝ごはんできてるよ!」
一階から母の声が聞こえる。
「はーい!」
返事をして階段を下りる。
焼きたてのトーストの香り。
テレビから流れる朝のニュース。
いつもの朝。
……うん。
さっきのことは忘れよう。
教室に入ると、
窓の外では風が木々を揺らしていた。
六月も終わりに近づき、
教室にはじわっとした暑さが残っている。
「おはよー、澪!」
「おはよう。」
友達に挨拶を返しながら席へ向かう。
「おはよう。」
後ろから声がした。
振り向くと、一人の男子が立っていた。
少し癖のある黒髪。
眠そうな目。
でもどこか優しい雰囲気。
「……おはよう、奏斗。」
「今日もギリギリだったな。」
「余計なお世話。」
「はは。」
小さく笑う奏斗。
その笑い方が少しだけ気に入らなくて、
澪は小さく頬を膨らませた。
奏斗とは去年から同じクラスだった。
話すことはあるけれど、
特別仲がいいわけじゃない。
でも、
不思議と気を遣わなくていい相手だった。
一時間目。
先生の声が教室に響く。
澪はノートを開きながら、ふと窓を見る。
ガラスに、自分の姿が映っていた。
……あれ。
今。
瞬きが。
一拍だけ、遅れた。
「っ……!」
慌てて窓から目を逸らす。
鼓動が少しだけ速くなる。
もう一度見る。
今度は普通だった。
「……どうした?」
隣の列から、小さな声が聞こえる。
奏斗だった。
「顔色悪い。」
「え?」
「体調悪いなら保健室行けよ。」
「 ……大丈夫。」
笑って答える。
でも。
本当に大丈夫なのか、
自分でも分からなかった。
放課後。
帰宅した澪は、制服のまま自室へ向かった。
鞄をベッドへ放り投げ、ふぅ、と息をつく。
「……気にしすぎ。」
そう言い聞かせる。
鏡なんて、ただの鏡。
見間違い。
疲れ。
光の加減。
きっとそうだ。
そう思って、もう一度だけ鏡を見る。
鏡の中の澪も、
こちらを見ていた。
ゆっくりと右手を上げる。
鏡の中も同じように動く。
左手。
同じ。
笑う。
同じ。
「……ほら。」
何もおかしくない。
安心して、鏡から目を逸らそうとした。
その瞬間。
鏡の中の澪だけが、瞬きをした。
澪は、
まだ瞬きをしていなかった。
部屋が静まり返る。
時計の秒針だけが、
カチ、カチ、カチ。
鏡の中の澪は、
何事もなかったように、
ゆっくりと微笑んだ。
その笑顔は、
澪が今まで一度もしたことのない
笑い方だった。
澪の背筋を、
冷たいものがゆっくりと這い上がる。
「……誰。」
返事はない。
けれど鏡の中の”澪”は、
まるでその言葉を待っていたかのように、
ほんの少しだけ、 口角を上げた。