暫くして舘さんは救急車で病院に運ばれた。救急車を待っている間舘さんはまた何回か戻してしまったり、頭痛が酷いのか毛布を握りしめ声にならない悲鳴をあげてボロボロと涙をこぼしていた。そんな舘さんの手をこれまた泣きながら康二とラウールが握り、励ましていた。病院に着き診察を受け無理のし過ぎだろうと一日入院を言い渡された。適切な治療を受け少し顔色がよくなった舘さんは今は病室で寝ている。全員で行くのは舘さんに負担がかかるし病院側にも迷惑がかかるだろうと病院にはリーダーである岩本君と最近ずっと看病してた俺で行った。他のみんなは明日来るらしい。
「…目黒。」
「はい。」
「…ありがとう。…そしてお疲れ、怖かったろうに頑張ったな。」
そう言って岩本君は俺の頭を撫でた。その瞬間ぼろぼろ涙があふれた。そんな俺を見た岩本君はそっと抱きしめ俺の頭を撫で続けた。涙が収まったころ、舘さんが目を覚ました。舘さんはお礼を言った後、俺の方を向いた。
「目黒…?…泣いた…?」
「…っ、…」
答えられずにいると、舘さんは俺の手をそっと握った。
「…俺が、元気になったら、また飲みにいこうな。」
「…舘さんの奢りっすよ。」
「もちろん。目黒には…色々お世話になったからね。」
「…ねぇ、それ俺も行っちゃ駄目?」
頬をふくらませながら岩本君が呟いた。その様子があまりにも仲間外れにされて拗ねている子供のようで舘さんとくすくす笑いながら
「いいですよ、一緒にいきましょ。」
と言うと顔をぱぁと明るくさせるもんだからまた笑った。それにつられて岩本君も笑った。静かな夜に三人の小さな笑い声が病室に響いた。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
このお話はここで終わりますが、番外編(?)としてもう1つあげる予定なので是非御付き合い下さい。
コメント
4件
本当に大好きな物語です😭 番外編すごく楽しみです💓
好きすぎる🥺…番外編?!?!?!…