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小学一年生からずっと友達だった、|綾香《あやか》と|伊織《いおり》。 仲良くなったキッカケは、学年でたくさん本を読んだ人が表彰される場で、三人並んで校長先生から賞状を渡されたことだった。
自分以外にも本をたくさん読む人がいるのだと知った私たちは、競うように図書室で本を借り、読んで感想を言い合い、良作を勧め合う。
こうしている間に気付けばいつも一緒にいて、本以外のことである、学校の活動、登下校、休みの日に遊びに行くまでの仲、友達になった。
私は幼稚園の頃、自分から話しかけることとか出来なくて、友達も出来ずいつも一人だった。学校に入学しても。
だからとっても嬉しくて、毎日が楽しくて。
友達は作るものではなく、自然と出来るもの。強い絆で出来たこの関係は、これからも続いていくと信じていた。
『なんか私たちって、クラスで浮いてない?』
小学五年生のいつ頃かまでは覚えてないけど、下校時に並んで歩いていた綾香がボソッと呟いたのが始まりだったと思う。
『やっぱ、そーだよね? 私も思ってた。本の持ち込みやめよっか? なーんか、クスクス笑われて、正直気分とかサイアクだったしぃ』
思い詰めた綾香の声に、気が強い伊織は反発心を出しつつも、綾香の意見を尊重していた。
『えぇー、ちょっと待って! マンガじゃない本は持ち込みオッケーって学校で決まってるし、なーんでそんなことで私たちが我慢とかしないといけないのぉ!』
そんな話がまとまろうとしているのに口を挟むのが、どこまでも察しが悪い私。
『ルールの問題じゃなくて、私たちがクラスの女子にどう思われているかの話だよ。文だって気ぃ悪いっしょ?』
伊織は空気が読めない私にも、逐一説明してくれる。
だけどどうにも要領を得なくて話を聞いていくと、私たちが教室で本の話で盛り上がっているのを見て、バカにしたように笑っていたようだ。
二人はとっくに気付いて悩んでいたのに、私だけ空気を読まずに一人騒いでいた。
普通、小学五年生って言ったら、周りの反応や自分との違いとかに気付いて、合わせていく時期だっていうのに、私ときたら。
今思い出すと恥ずかしくて消えたくなるけど、ホントにあの頃は気付いていなかった。
こんな私にも優しく説明してくれて、周りに合わせようと話してくれる、綾香と伊織。
一方、そんな優しさも理解出来ず、自分の好きを貫いたら良いと思う私。
そんな相反した関係が上手くいくはずもなく、気付いたら私は一人になっていた。
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