華金、それは幸せの言葉 。
そんなものを信じる暇もなく 、 一つの目的のままフラフラと息吐いていた日 。
その日に起こった奇跡のせいで 、 ただ この曜日を 華金 と呼ばざるを得なかったにすぎない 。
少し足取りが周りの人よりも軽やかだっただけ、それだけ 。
その偶然が君の方に 目線を向けるきっかけになった 。
ああ、信じてみるものだな 。
あなたに吊られてすこし軽やかになった足取りを抑えて 、
怪しまれないように 、 悟られないように
あなたが部屋に入ってからしばらくして 、 チャイムを鳴らした 。
あなたが部屋に入った瞬間 、 一緒に入ってもよかったのだけれど 。
せっかくの再会なのだから 、 ロマンチックにしたい 。
はーい、とあの頃より少し上擦った声 。
きっと、君も気づいていてくれたんだね 。
僕に会うのが楽しみで 、あの日から、僕があなたを見失うまで
欠かさずやっていた ドアスコープ を覗く癖も 、 忘れてしまったんだね 。
あなたの顔がすぐ近くに来た途端 、 僕はあなたを抱きしめて、口付けを交わした 。
王子様のお迎えは 、 やっぱり 目覚めのキスじゃないと 。
あなたの顔が少し強張った 。
ああ、緊張しているんだね 、 大丈夫
あの日みたいにもう 、 君の肌に痣を遺したりしないから 。
華金 、それは幸せの言葉 。
引き裂かれた糸が、また結び直される日 。
華金、それは 一つの終わり 。
明日が幸せな日だからという希望の前兆 。
華金、それは一つの終わり 。
明日が幸せな日のはずという希望が 、砕かれた日 。
今度は 君を1人にしないから 。
爛れてしまうまで 、 焼けて潰えるその日まで 。
永遠を誓い直した 金曜日 。
ああ、そうか 。
今日は 、 13日だったね 。






