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【以下、細菌達の記録】
《放課後、米津町の河川敷にて。》
「ごめんねー。ボク、ロカ先生に勧誘されて
ロカ先生のチームで戦うことになったんだー。」
そう言いながらパンダこと半田緋色は勧誘に来た黒尾場じゃんねに申し訳なさそうに謝った。
「そんなッ!!??なんでじゃんね!!???」
戸惑うじゃんねにはパンダはどこかから取り出した金属バットを掲げて言った。
「だってボクと悪夢ちゃんは《パンダヒーロー》だから。ヒーローはいつだって正義の
味方なんだよ。」
そう言ってパンダは目尻を下げてにっこりと
笑った。
じゃんねは金属バットからものすごい殺気を
感じて渋々引き下がった。
《夜、じゃんねの自宅にて》
じゃんねは転々と痛見とともにZoomで
作戦会議を始めた。
いよいよ明日は体育祭本番。
じゃんね達はまずは戦況を確認した。
「くそぉ……まさかロカ先生が半田緋色を
仲間に加えるなんて聞いてないじゃんねぇ。
サンコノレーで悪夢を見まくったのに骨折り損じゃんねぇ…….。」
黒尾場じゃんねはそう言って今まで悪夢ちゃんに見せられた悪夢の数々を思い出して
ガタガタと震えだした。
「アイネ…..。先手を打たれてしまったアル。でも、それ以外は概ね作戦通りネ。
体育祭も乗っ取った。心強い助っ人の痛見も
仲間に加えた。強力な武器《くるみ☆ぽんちお》も手に入れたアル。」
「《くるみ☆ぽんちお》だけじゃないじゃんねぇ!!みるくきゅんとクズ仲間達で共同開発した服だけを溶かす水鉄砲もしっかりと人数分用意したじゃんねぇ!!!」
じゃんねはゲッスい顔をした。
転々はゴミを見るような目でじゃんねを見た。
「それで?勝てんのか、あのロカ先生に?」
痛見は転々に聞いた。
「普通の能力バトルなら100%勝ち目ないネ。だから先生に勝つためにルールを変えたアル。今回の悪鬼退治は騎馬なし騎馬戦ネ。私達はじゃんねのハチマキを、ロカ先生チームはロカ先生の頭に巻いたハチマキを取られたら負けネ。そしてじゃんねのハチマキはみるくきゅんと職人のおじさん達が共同開発した特注品ネ。これはじゃんねが『まいった。』と言わない限りは絶対に頭から外せない《気合いのハチマキ》ネ。」
そう言って転々ちゃんは赤いハチマキを二人に見せつけた。
「つまりこの戦いはじゃんねが敗けを認めない限りは負けないってことか。分かったぜ!!俺のやることは変わらねぇ!!!俺はこの戦いでお前らを守り抜いてやらぁ!!!」
痛見はそう言って部屋の中で叫んだ。
痛見のドア越しから『うるさいよ痛見ィィッ!!!!』と叫ぶ声がした。
おそらく痛見の母親だろう。
「ただ、ロカ先生だけ警戒するのも良くないアル。《秘密警察》の能力保持者秘密裏警羅、《ブリキノダンス》の能力保持者、シリアスブレイカー、《パンダヒーロー》の能力保持者半田緋色。…….他にもとてつもなく強力な能力者達がロカ先生の味方にいるネ。
数ではこっちが上だけれど油断は出来ないアル。」
転々ちゃんは真剣な顔で言った。
「やってやるじゃんねぇ!!!これまで地道に仲間を集めてきたじゃんねぇ!!!僕達の悪鬼退治チームは
米津学園中の生徒47人と転々と痛見と
ボクで合わせて50人!!!ロカ先生のメンバーは合わせて10人!!!数ではこっちが有利じゃんねぇぇ!!!それに皆ロカ先生の理不尽な校則に腹を立てていたりロカ先生に能力を破壊されたりで戦意は十分じゃんねぇ。この勝負!!!
絶対に勝つじゃんねぇ!!!」
じゃんねは自分のほっぺをパンパンして気合いを入れた。
「アイネ。絶対に勝って、私はこのカスから早く解放されるアル。」
これまでロカ先生攻略のために暗躍し続けてきた転々ちゃんはそう言って不敵に笑った。
「よっしゃぁ!!!!燃えてきたぜぇッ!!!!やっぱり勝負ってのはこうじゃなきゃなぁ!!!」
痛見は椅子から立ち上がり闘志を露にした。
いよいよ明日が体育祭本番。
米津学園の歴史に残る大事件
『CROW OVER NIGHT 』の幕開けである。
(最後まで読んでくださりありがとうございます。)