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ある日の夜、生徒達の様子を見に寮に行くと、スケッチブックとにらめっこをしている数人が。

「美術の課題か。」

「そうなんすよー。明日提出なんでマジヤバいです。」

と言う上鳴は意外と上手いヤツの1人。

「僕はなんか、写真通りに描けなくて。」

緑谷は、器用貧乏で描くほど写真から遠ざかっている。

「明日はおっきいキャンバスに皆で絵を描くって言ってたけど、どれくらい大きいのかな??」

「ウチ、運ぶの手伝ってほしいって頼まれたから、きっと教室いっぱいに大きいんだよ!!」

女子達は楽しそうに話す。“楽しんで受けてくれてます。”彼女の言葉を思いだし安心する。「先生は美術得意ですか??」

「どうだったかな。昔のことは覚えてない。」

「えー。」

「提出期限は絶対だぞ。で、他は寝ろ。」

芦戸は運動神経抜群だが、芸術センスも抜群で驚いた。そんな芦戸の話は申し訳ないが流させてもらう。

「(美術の授業か。)」

いつも通りの賑やかな生徒達にもう一度釘を刺し、自室に戻る。

「(得意ではなかったな…。)」

大きなため息一つ。

「(彼女が先生だったら、得意になったのだろうか…。)」

少しずつ、自分の中に彼女の存在が大きくなっていっているような気がした。

翌日、訓練前の生徒達はどこか表情が晴れ晴れとしていて、始まってからも調子がいつもより良かった。

「(芸術で発散したか。良いことだ。)」

想像して、自然と口元が緩む。

「今日はここまで!!評価を受けたものから解散。」

放課後、彼女のもとに。

「相澤先生。今日は皆におっきいキャンバスに好きなように描いてもらったんですよ!!」

嬉しそうに、スマホの写真を見せてくれる。

「あいつらには驚かされてばかりです。

この鳥は先生が??」

「はい。皆の作品の中に鳥を描いて飛ばしたんです!!」

動画を見せてもらうと、無邪気に鳥を追いかける生徒達の姿が。

「今日の授業のおかげで、訓練もいつもより動けてました。」

「良かったです!!また皆でできるなにか、考えておきますね。」

いつものように、彼女は部活を覗いてきますと挨拶をして職員室を出ていく。

「(さて、もうひとがんばり…。)」

この後の仕事も徹夜になる予感。

相澤先生と美術教師

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