テラーノベル
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目を開けた瞬間、窓から差し込む柔らかな月明かりが目に飛び込んできた。
天井の木目模様が緩やかに波打っている。
その優雅な曲線を目で追いながら、徐々に意識が覚醒していく。
「……起きた?」
低く落ち着いた声が耳元で囁かれ、僕は慌てて横を向いた。
すぐ隣に怜治さんがいる。
彼は片肘をついてこちらを見ていた。
銀色の月光が彼の輪郭を淡く照らし出し、まるで絵画の中から抜け出してきたようだ。
「あ、あれ…ぼく……っ」
言葉を紡ごうとした途端
「急にさっちゃんが倒れたから、俺の家まで運んできたんだ」
その一言で記憶が一気に戻ってきた。
昨日、フードのストーカー男に倉庫に閉じ込められて、怜治さんに助けて貰って、番になったこと。
怜治さんの熱い吐息。
そして……首筋に刻まれた確かな跡。
僕は思わず両手で顔を覆った。
「僕たち……本当に…番に?」
「うん」
怜治さんの声は穏やかだった。
「これからは、ずっと一緒だよ」
覆った指の間から恐る恐る彼を見る。
怜治さんはいつもの余裕ある声で、にかやかな笑みを浮かべていた。
その表情に安心して顔から手を離して、真っ直ぐに怜治さんを見据える。
「嬉しい、です…でも、僕なんかで、本当にいいんですか……っ?」
少しの不安から、そんなことを聞けば
「さっちゃんがいいんだよ。お店で出会ってから、一目惚れしたんだから」
彼は間髪入れずに答えてくれた。
「えっ?!そ、そんなときから?」
「うん。顔に惚れたのは事実だけど、イベント事でもないのに毎日花屋に一人で来る男の子なんて珍しいな~って思ってた」
「でも接客していくうちに…ウブなところとか、健気に通ってくれる姿が可愛く思えてきてさ、今まで黙っててごめんね?」
怜治さんは申し訳なさそうに眉を落としている。
その仕草を見て僕はふふっと笑ってしまった。
「なんだか……似たもの同士ですね」
「似たもの同士?」
「ぼ、僕…イケメンなお兄さんに目がなくて…っ、!怜治さんの顔拝む目的で花屋に通ってたっていう不純な理由だったので…な、なんかすみません!」
赤面しながら謝罪するも怜治さんは
「ははっ、どおりでよく俺の顔見てると思った」
予想していた答えだったのか嬉しそうに顔を輝かせて見せた。
「き、気付いてたんですか?!」
すると怜治さんは僕の方へ身を寄せ、囁くように言う。
「…逆に、こんな可愛いさっちゃんに見つめられて気づかない方が無理だと思うよ?」
吐息混じり、色気ダダ漏れの声と
甘すぎる台詞に、顔どころか全身が沸騰してしまいそうになる。
「は、はひ…っ」
「ねえ、さっちゃん……ひとつ聞いてもいい?」
怜治さんの瞳が月の光を浴びて艶めかしく煌めいた。
「な、なんですか?」
「俺のこと好きになってくれた理由は、顔だけ?」
「え?ち、違います!」
核心を突く問いに一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに正直に打ち明けることにした。
黒星
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コメント
1件
第29話、一気にラブラブムードで最高でした…!😭💕 怜治さんの「一目惚れした」発言がド直球すぎて悶えたし、さっちゃんの方も顔目当てで通ってたってカミングアウトするとこ、可愛すぎて頭抱えたよ…!! お互い一目惚れで「似たもの同士」なの、運命感あって尊い…。最後の「顔だけ?」の核心、これからの返答が気になりすぎるし、続きまだあるよね!? 次回も夢中で読みます🔥