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「 想像の倍以上あるな… 」
八芒星の街とも呼ばれている都市、オクターム。
昔、当時の賢者が街を護るために開発した八芒星型の魔法陣が使われた結界に因んでいるらしい。
まぁ現在は普通に使われている魔法陣だが、当初は世界初だったらしい。
荷物は基本ないのでそのまま降りて、とりあえず生活費を稼ぎに冒険者ギルドというところに向かう。
冒険者ギルドとは、冒険者と呼ばれる人々をサポートする施設だ。
依頼の募集・提示、ランク付けによる適正な依頼の判別、魔物の買取の仲介…
様々な形で支援してくれる、むしろ入っていない冒険者は居ないようなところだ。
木製の大きな扉を押し、騒がしい館内へと入り受付へと向かう。
「 こんにちは、冒険者ギルドへようこそ。依頼ですか?受注ですか? 」
受付嬢さんが丁寧に、決められた言葉を告げる。
「 あ、えと…冒険者登録したいんですけど… 」
「 かしこまりました。では以下の書類に記入をお願い致します。 」
差し出された紙に、横に お使いください の文字を添えて置いてあるペンを使い記入していく。
3分にも満たないうちに書き終わり、受付嬢に返す。
「 ありがとうございます。えぇと… 」
「 ペイント・サンチェス、……さん、ですね。 」
ぺ 「 あ、はい。 」
全ての人に平等をモットーとする冒険者ギルドの受付嬢ですら、俺の苗字を聞いて躊躇いを隠せなかった。
気まずい……
「 …では、こちらが冒険者カードとなります。良い旅を。 」
そう、あからさまに嫌そうに冒険者カードを渡して、いかにも はよ行けや という感じを醸し出される。
もう慣れっこなのでなんともないけど、やっぱここでもこうなるのか…
現在は1番下のGランク。
下の方のランクではパーティを組めば1つ上のランクの依頼まで受注できる。
Gランクの依頼の報酬じゃパンひとつ買えるかどうかしかないので、とりあえずひとつ上のFランクの依頼で1番報酬が高いのを探す。
ゴブリンの討伐…うん。これが一番高そうだ。
それでも宿1日泊まれるかも怪しいが…
ぺ 「 あのー…これ、受けたいんですけど… 」
「 あー、そちらの依頼でしたら先程もう1人パーティ募集して待ってる人がいますよ。 」
「 貴方はGランクですのでパーティを組まないとこの依頼は受けれないので…一緒に行ってきてはどうですか? 」
まぁ、そうするしかないだろうな。
ぺ 「 はい、そうします。ありがとうございます。 」
話によれば、ギルドの角側の席に座ってる魔術師の人らしい。
身なりからして… かなり裕福そうだ。
このランク帯の冒険者にしては珍しい。貴族か…?
ぺ 「 あのすみません、同じ依頼受けたんですけど… 」
声をかけると、その人物は振り返りながら言った。
「 あー、パーティのことですね。 」
特徴的な声。
緑髪に深紅の目。
5年も合わず互いに成長していたとしても、忘れることの無い。
唯一の、親友。
ぺ 「 ……ぐちつぼ? 」
「 え…ぺいんと? 」
「「 え”ぇ゙ぇぇぇ~~ッ!? 」」