テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1,902
#ホークアイズ、スワロウテイル、ナイトアウル
塩
29,264
コメント
1件
読了しました。第1話、冒頭の「いつもと違う」という違和感の提示がとても巧みですね。瑠衣さんが青ざめた顔で外に出て、戻ってきたら明るく振る舞う。その直後に突然の「辞める」宣言——このギャップが不気味で、一気に引き込まれました。仁さんがチョコドーナツで原因を考えるシーンには思わず苦笑。春時雨が窓を叩くラストの描写が、この静かな不安を象徴しているようで、これからどう展開するのか、設定や伏線が気になります。続きが待ち遠しいです!
いつもと違う声音、いつもと違う目線。
―――いつもと違う笑顔。
思えば、あの違和感が今回の事件の発端だった―――。
ー ❀ ー ✿ ー ❀ ー ✿ ー ❀ ー ✿ ー ❀ ー ✿ ー
ぷるる、と仁の傍らに座っていた瑠衣の端末が振動する。
それの画面を見た瑠衣は慌てて外に出た。
その顔が青ざめていたことに、仁が気付くことはなかった―――。
暫くして戻ってきた瑠衣の何事もなかったかのように明るい声を聞き、いつも通りの日常を過ごす。
しかし、その’’いつも通り’’は突如として破られる。
「仁、おっさん…
俺、ホークアイズ辞める」
「は……?」
仁の口から困惑の声が漏れる。
「2人のこと…大、嫌い、だから」
いつもの元気さは鳴りを潜め、そのオレンジがかったヘーゼルアイは、何故か潤んでいるように見える。
おっさんが狼狽えているのを見て、バツが悪そうにした瑠衣はそういうことだから、とこちらに背中を向けて出ていった。
「何に怒ってるんだ…?
はっ…さっきのチョコドーナツを食べてしまったことか…?」
慌てているおっさんが、年頃の娘に拒絶された父親に見えてきて、仁は呆れて溜め息を吐いた。
「…反抗期だろ、ほっとけ」
事務所の窓を、何かを伝えるように春時雨が叩いていた―――。