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登場人物
【ななし】:【だいぶ毒舌で上から目線な女性。「この世界を終わらせる」為に動く。右肩を負傷し、ほわりに治療して貰った為右肩に包帯が巻かれてある。ほわりを攻撃した際に短剣を使った為、短剣を主に武器とするのであろう。】
【ほわり】:【優しく暇人の様な不思議な男性。ななしを治療した張本人。ななしの不意な攻撃を軽々と避ける実力者。】
第2部
約束と血の国
「少し待ってください。この世界を終わらせに行くのですか….?」
ほわりは驚いた様にそう聞く。さっきまで冷静な顔だったほわりの顔は今になっては酷く驚いた顔をしていた。
「そうよ。そうよ。その通りよ。何か文句でもあるのかしら?」
不服そうな顔でななしは歩み始めた足を止め、振り向きそう言う。
「いや….文句では無いのですが….少しばかり驚いてしまって….申し訳ないです。ちなみに1つばかり質問をさせて頂きますが、何故この世界を終わらせようと….?」
声や喋り方から躊躇いや驚きが見える。当たり前の事だろう。突然この世界を終わらせに行くのよと言われて驚かない人物なんてこの世に居ないだろう。
「はーー!何から何まで面倒臭い奴ね。こんな奴に教えたり関わったりするんじゃなかったわ。もう吹っ切れたしいいわよ長くなるけど教えてあげるわ。慎みなさい。私がこの世界を終わらせようとしている理由を」
回想
ある日ある日喜の国・怒の国・哀の国・楽の国・そして今では忘れ去られた無の国がありました。その楽の国に生まれたのがこの少女。ななしです。ななしは両親の愛に恵まれて、それはそれは素晴らしいとても幸せな暮らしをしていました。
その日常は突然終わりを迎える。
「何….これ?何が起こってるの?お母さん?お父さん?」
小さな少女は両親に向かってそう言う。小さい頃のななしだ。
「さぁ….何が起こっているのかしら….とりあえず私から離れないでねーーちゃん」
小さな少女の母親らしき人物が言う。突然の出来事に楽の国の住民は驚きを隠せない。
「そうだぞ….お母さんの言う通りだ。絶対離れるんじゃないぞ」
小さな少女の父親らしき人物が言う。
「う….うん。絶対離れないから。お母さんもお父さんも絶対離れないでね」
小さな少女。幼少期のななしが言う。
「勿論!絶対離れないし離さないわ
勿論だ!絶対離れない!離さないぞ」
ななしの両親は強く言う。約束。
この頃楽の国は無の国から襲撃を受けていた。
思いもよらない自体に楽の国は次々に崩壊して行く。銃声が鳴り響き、断末魔が飛び交う。こんなの聞きたくない何でこんな事になったのかと幼少期のななしは強く強く思う。
当然ななしの家も攻められるのは時間の問題。そこでななしの両親は友好関係だった喜の国へ逃げようとします。きっと助かる。そう思って。
ですが喜の国は裏切り、更に哀の国怒の国まで加担して楽の国を襲撃します。こんなのになったらもう何も出来ません。ななしの両親はせめてななしだけでも生かそうと。そう考えたななしの両親は….自分達を身代わりに時間稼ぎをし、ななしを逃した。親として誇るべき行動だった。
逃げる中、幼少期のななしはずっとずっと両親の事を考えていた。銃声が飛び交う。それでは嫌でも両親の事を考えてしまうだろう。
その後のななしが見た光景は悲惨なものだった。死体があちこちに綻び。あんなに活気に満ちていた国が….我が国が血の国化としたあの日。
そんな時にななしはこんな狂った世界を終わらせようと。こんな世界無くなってしまえと。そう固く決意した。
「絶対離れないでねって約束….守ってくれなかったね」