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貴方と踊っても、よろしいでしょうか?
ええ、勿論。
side:rdo
あの日踊った月光のワルツはいつのまにか心をあの人に奪われる理由となって、心を締め付けた。
月明かりに踊ったとき、貴方の顔が綺麗だったこと。いつか、伝えられたらいいな。
「rdo?何してんだ?」
「nrsじゃ〜ん。やっほ」「おぉ」
「何か用事あったん?」
「そりゃ大ありよ」
「何〜?」
「ああ、それはこのロスサントスでパーティが開かれるとか」
side:rd
パーティ、か。
自分の中でのパーティの印象、経験は基本的にはない。
けれど、あるといえば100年前のことだ。あの日、ssさんと踊ったことをずっと覚えている。
「院長さんの踊りは綺麗ですね」
「ええ〜?そうっすか〜??…、ありがとうございます」
「ふふっ、。」
二人で踊った時には、本当に幸せだった。
ずっと笑ってて、褒めてもらえて。
「(まあ、100年前の話だけどね)」
「あ、ウェッさんじゃぁ〜ん!」
「あぁ、rdoくんか」
「そうっすよ〜。そういや、この街でパーティかなんか開かれるって聞きましたけど、参加するんですか?」
「しますよ、勿論。rdoくんの方は?」
「まあぼちぼち考えてくって感じです〜」
存外、自分でも呑気な話をしていると思う。そうやって考えてぼっーとしてたら、珍しく顔を出していたから、急にwesさんの手が直に顔に触れた。
しかも自分の頬に、だ。「えっ」少し驚いたが、wesさんはそんなことをしないかの様に頬に置いた手を目の近くに持っていった。
普段されないようなことをされて、かなり緊張してる。
俺が数秒に固まっていると、wesさんは「おっと、失礼。では、これで」なんて言って去っていた。あの時のwesさんの瞳は愛しい人を見るような目だった。
………なんて思わせぶりな人なんだ。
side:rdo
時は進み、ロスサントスではパーティが開かれた。
豪華な船上で優雅に着飾った人々が食事や舞踏を楽しんでいた。
「うぁ〜”なんか雰囲気が〜」
「分かるぞ、rdo。我もなんかキツくなってきた」
「同情か??」
言葉ではああいうkotiだけど、実際のところはこの雰囲気にとてもあっていて、一国の皇帝ってことだけあるなと思う。
だからといって同情はいらないけどね。
「てか、rdoは踊らないのか?」
びっくりして、持っていたグラスを落としそうになった。
「はぁ、??するわけ無いじゃん」
「我はいいと思うけど」
「うるさい〜」
なんかここまでくると煽られてるように思えてきた。
もう知るものか、と目を背けると「拗ねた?!」みたいな事を言ってくる。そんなことないけどね?
…多分。
だけど、踊れないわけでは無い。
ちょくちょく前から、久々にするであろうダンスを練習していたのだが、それを披露できないのは少しむず痒くなってしまう
踊りたいわけでは…。
「踊りませんか?」
「えっ、」
驚いて後ろを振り返るとそこにはwesさんがいた。
さっきまで居たであろうkotiは、いつのまにか遠くに行っていて他の人と会話していた。
そして、会話しているkotiがいるホールには何人かの人が優雅に踊っていた。
「な、なんでですか?」
「?嫌なのかい?」
「いや、そういうわけ、では…」
なんだか怪しい雰囲気になっていた時、wesさんが急に俺の手をとってきた。
「なら。」
ぐいっと、背中に手を回されて取られていた手がwesさんのいる方に思いっきり伸ばされた。
「さあ、こんな時には優雅に踊りましょう。こんなことが出来るのは今夜限りなんですから」
普段のレギオンにいたようなwesさんの様子とは打って変わって、釈変した様子で俺にそう語りかける。
今夜は月明かりのお陰で、こちらにはあまり電光灯の光が来ずとも互いの顔が良く見える。
まあ、確かに一理あるだろう。
こんな夜ならば、こんな時ならば踊らなければ損というもの。
「…、いいですよ。エスコートはよろしくお願いします。」
そう言って、相手のペースに合わせゆっくりと踊る。
体がついていかないかも、と思っていたが案外その心配はなさそうだ。
そして、ゆっくりと、ゆっくりと踊る。
後ろで音楽がずっと流れていて、それに合わせるように動いていたので自分も合わせに行った。
少々体格は違うが、wesさんが合わせてくれているおかげでとてもやりやすい。
あの夜とは同じでは無いが、こんなのもいいだろう。
side:wes
今、目の前にいて月光の灯りに照らされて踊るのはあれだけ手に入れたかった警官、aoirdo。
今の彼の動きは全てが美しく、光に照らされて光るその深海のような瞳と、たなびく髪。白く光る肌と、その唇は独占欲を掻き立てる材料となった。
彼と踊れることなんて、夢にも見なかったこと。
「美しいですね、wesさんは」
純粋無垢な瞳で、少しの意地らしさがある表情で彼は言った。
「そうかい、rdoくんもなかなかじゃないか?」
「御世辞はやめてもらいたいですね」
与太話に花を咲かせていると、周りに目をぎらつかせたような殺意のこもった瞳を向けられる。
全く、どれだけ警察の奴らは過保護なのか。
「rdoくん」
「はい、何ですか__」
少し強引なキスで口を塞ぐ。
柔らかな唇が、己の唇と重なる事を感じる。
「え、………。」
少し驚くような顔をしていて、その後には……。
笑っていた。
「おや、どうしたんだい?」
「そんなに笑って…」
「いえ、大したことじゃないですよ。…ただ、」
言葉がその後は続かず、困惑して手を伸ばそうとする。
そうしたら、彼の目から涙が次々とこぼれ始めた。
「rdoくん、」
ぐいっと、彼が奥にいった。
彼の後ろを見れば、安心したかのような、はたまた睨んでいるかの表情でこちらを見ていた。
「rdoに、何言ったんすか。」
「……何も、言ってませんよ。…」
何が言いたいのか、自分でも分からなくなっていった。
何か言わなければならない、思考が少しずつ、奥底に沈んでいく。
「思い出させたんでしょう」
nrs、彼がそう言った。
思い出させた…?
side:rdo
しまった、泣いてしまった。
しかし、それに気付く時はもうどうしようもなくなっていて、焦る気持ちは絶望へと向かっていった。
引かれた?
急に泣き出して。
困らせてしまった?
こんな自分だから。
闇に沈む思考回路は目の前のあからさまな疑問を浮かべるウェッさんの瞳に映る、自分自身の泣いた顔を見て更に涙が溢れた。
違う、この人に迷惑をかけたい訳じゃ無いのに。
違う、この人ではないのに。
…違う、この人を否定したい訳じゃないのに!
「この人では、ない…と」
訝しむ様な目でこちらを伺うウェッさんと、ふと目があった。
そうすると泣き出して、暗闇に沈んでいた心に日が当たる様な気がしたのだ。
ハッと息を呑む、そして目を背けようとした瞬間…。
なるせと目が合う、何事かと頭を回せば、
俺は踊っていた。
「貴方には何かあるようだが、私はそれじゃ諦めないからな?だから、私は貴方に告白をしよう。そして、貴方が…らだお君が私を否定しようとも、過去を思い出せなくなるまで。その檻が無くなる時まで、共に居よう」
あまりにも悦な言葉、仏でも天使でも神様でもない、ましてやギャングが言うには純情で優しくて、甘い言葉。
俺は泣くのを辞めた、貴方の瞳が俺を映すから、貴方が余りにも眩しすぎるから。
あの日のワルツではない、今踊るのは舞踏会で多く使われたバロックダンス。
美しく、華やかでテンポの遅いゆったりとしたもの。
それはあの人とは打って違って、何処か大人らしさを感じさせて、あの人との違いを、あの人には魅せれないくらいの甘美を与える。
…どうか、今だけは許してくれないだろうか。
「らっだぁさん」
「らだお君」
呼ぶ名が違って、場所も、時代も違うこの世界で貴方を思い出しながら、貴方が許せなかったギャングと踊り浸る俺を。
どうか、許して欲しいのだ。
貴方に惹かれた筈なのに、慈悲の残る、貴方に似た瞳に恋焦がれる俺を。
「月光は、貴方を照らし出したよ」
骸は死骸で、貴方で、でも月光は骸では無く今や騒がしき舞踏会を照らし出す。
おまけ
「らっだぁさん………幸せそうでなりよりですぅっっっ」
「まあまあ、泣くなやささぁ…」
「気持ちは分からなくはないっすね!」
署長はこの頃、今のらっだぁを見て幸せで有ることへの喜びと自分ではない嫉妬感で苦しんでいると可愛い。
おまけ
nrs「(はぁあ??アイツまじでふざけんなよ踊るのは俺に決まってんだろ。てかなんでアイツなんだ?)」
koti「漏れてるぞ〜?心の声」
nrs「別にいいだろてかなんでだよrdo〜!!」
mndr「綺麗だったよ、rdo」
rdo「そう、?」
wesさんから解放されたあと話すmndrとrdo↑
rdo「てか、それにしても驚いたよ。wesさんがあんなことしてくるなんて」
mndr「そだね………。まあ、でもかわいかった…」
rdo「drさんは俺が可愛ければ誰に取られてもいいわけ〜??」
そう言ってrdoがmndrの横に座っていたのにmndrの膝に横に座って首に手を回す。
mndr「ちょっ、え?!rdo?!!!」
koti nrs「………は?」
上の様子を見ていた御二方。